第17話東京




ここが東京のダンジョンがある場所らしい。


「あ!看板だ」もっと派手な看板にしろよ・・・


これが立体駐車場か・・・カード差し込むとドアが上に上昇した。

中に入れると「ドアの外に出て、駐車場から出て下さい」と声が響いた。

駐車場から出ると「カードを忘れずに取って下さい」と声が又もした。


なんだよ・・・監視カメラが俺の動きに合わせて動いてるぞ。

忘れないようにカードを抜いた。


「顔認証完了です。あなたは、始めての方ですね。討伐予約が未定のままです。品川ギルド支部で討伐予約をおすすめします。右通路でお越し下さい」又も声だ。


広いロビーだ。

【初めての方はこちら】と矢印で書かれてた。

なんだかめちゃくちゃ面倒だ。


あれが受付か、カードを差し出して「討伐予約ってなんですか・・・」と聞いた。


「ダンジョン内は全て予約制になってます。魔物の倒された時間から現れる時間を算出して効率良く討伐をするシステムになっております」


「なら2階全域のスライムで討伐予約は出来るかな・・・」


「え!全域でスライムですか・・・出来ない事もありませんが・・・少々お待ち下さい」


席を立った彼女は、後ろの上司になにやら話ていた。

その上司も何処かに連絡してる。


彼女が戻って来た。


「担当の者と連絡中なので、少々お時間を下さい。本当にご迷惑をおかけします」


少し引きつった微笑だ。



いつの間にか後ろには、6人のスタッフがカメラ2台、照明が2台を持って待ち構えて居た。


「わたしは、この班の班長を務める北野です。今回は初めてなのでギルドから撮影するように依頼されました。撮影をしても良かったですか?」


「許可しないと入れそうにないので許可しますよ」



幾つもゲートがあった。

そのゲートをスイスイと探索者らしき人が通り抜けていた。


俺らは、柵のドアが開かれた所から入った。

なんか人の視線がキツイなーー。



1階では、魔物が現れるのを待ってる人を何度も見た。


「あの人たちは、銅クラスの連中ですよ。あれでも楽に暮らせるので気楽ですよね」


なんだこの男は、俺も同じクラスだよ。




2階で「バチ、バチ、バチ」と放電して6匹を倒した。


「山下と佐藤、撮ったか」


「ばっちり撮りました」


「こっちもOKです」



あの空間だ・・・めちゃくちゃ広いぞ。


「ちょっと待って下さい。あの中に入る積もりですか・・・」


「うん、入るよ。入って討伐するのが探索者の役目だからね」


「班長、わたしは知りませんよ」



「バチ、バチ、バチ、バチ、バチ」と放電を放ちながら入った。

更に放電量を上げた。

「ボタ、ボタ、ボタ、ボタ」と大量にスライムが落ちては、姿を消した。

そしてようやく全滅させた。


揺れるのを待った。え!いつまで待っても揺れない。

なんで?


諦めて魔石を回収した。

ここの青い魔石は、342個だ。

ザッと計算しても2億7千万円以上だ。


背負いバッグの重みを感じながら、あれこれ妄想にふけった。




品川ギルド支部の隔離された部屋に案内された。

重々しい部屋だ。


男4人と女1人が、すでに腰掛けていた。


俺について来た女性5人が、慎重に数を数えだした。

数え終えた魔石は、ケースに収められてガチャガチャと鍵を掛けられた。

そしてようやく終わったようだ。


「464個になります」


女性5人が5つのケースについた手錠を、自分の手にガチャと手錠した。

そして座っていた女に先導さて部屋から出て行った。


「入金が完了した。これからのご予定は・・・」


そう言ってカードを返してくれた。

もう用がないので、無言で出た。


あの部屋では、不気味沈黙が続いた。




江戸川ダンジョンで、2階の空間前に立っていた。


「バチ、バチ、バチ、バチ、バチ」と放電を放ちながら入った。


「ボタ、ボタ、ボタ、ボタ」と大量にスライムを倒した。


ここもダメだ。

なにもせり出してこないなんて・・・だまされた気分だ。

東京まで来たのに残念過ぎるぞ。


青い魔石は301個だ。

2億4千80万円だ。




電気街で、ちょっと怪しい店に入った。


「おじさん、このカタログ25号のこの部品を大量に購入を考えてるんだ。どれぐらい値引きしてくれるかな」


「値引きするなら1万も注文しないと値引きしないよ。それぐらい分かるだろ」


電卓叩いて値引いた価格を見せてきた。


「もう少しまけてくれよ・・・成功すれば、次はもっと買うから・・・それに現金での前払いだ」


「本当か・・・少しだけな」


又も電卓を叩いて見せてきた。


バッグから札束を出してドンと置いた。

おじさんは、札束を念入りに数え出した。


俺は、あて先を紙に書いていた。



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