第9話オーク




朝早くから、そわそわしていた。

そして悩んだ末に決めた。


異世界へ行く事に・・・「鏡よ、でよ」


念じただけなら出なかったのに、声に出したらでやがった。

意を決した触った。



あ、急に帰った時の場所に立っていた。

見覚えのある場所だ。遠くに城壁も見えていた。

まぼろしに思えてきた異世界に、俺は又も来たのだ。



正門で札を見せるとすんなりと入れた。

時間経過が気になっていた。10年も経っていたらしゃれにならない。


だから宿屋に立ち寄った。


「あら!いつ戻って来たんだい」


「どれぐらい来てませんでしたか?」


「3日も来てないよ。その分の金を返せって言っても無理だからね」


ここの時間軸は、あっちの経過時間と同じなのか・・・不思議だ。


「そんなケチな事は言いませんよ」


「それならいいよ」


おばさんから基本的な事を聞いた。


ここは、1ヶ月間が30日である事。

それが10ヶ月間で1年なる事。だから1年は300日だ。

時間は24時間で同じだ。しかし体感時間だとあっさり言うので驚いた。

時間が気になるなら日時計を見ろって言われたんだ。

ここの世界にも日時計はあるみたいだ。


そしてこの街はアルポスの街で、領主が住んでるらしい。

領主の名を聞くと知らないらしい。


突っ込んで聞いても、興味がないと反対に怒られた。

なので銀貨1枚を手渡した。もうニコニコして愛想がいい。


そして、何か困った場合は裏組織に頼むといいって聞いた。

金は銀貨5枚で情報提供。

もめ事解決は、金貨1枚から始まって難易度で上がるらしい。


その裏組織に会うには、色々決まりごとがあってややこしい。

色々聞いてここを後にした。




ギルドの討伐依頼書を見てた。

オークの討伐依頼は残っていた。どうやらゴブリン討伐以外は、はがして持ってゆくみたいだ。


依頼書を持って受付にいった。


「お!あんたか・・・ギルドマスターから聞いてるぜ。これがメンバーのメダルだ」


剣が描かれた銅のメダルを手渡せた。裏に番号が刻印される。


「この依頼書を受ける事が出来ますか?」


「うん、受けられるぜ」


依頼書を取ってサインをしてから何かを書いていた。

そして手渡された。


「この依頼は10日間だ。完了してなくても倒した数は、報酬が出るから必ず来い。分かったな」


俺は礼を言って離れた。


今回は20体に増えてた。


そして依頼書の裏には、出没情報が書かれていた。

しかし、俺の目の前には矢印表示だ。




あれがオークだ。

10体のオークがたむろして何かを喰っていた。


【オーク】


分厚い脂肪で防御に優れている

力はバカ強い


なんだ、弱点はないのか。

まあ、暗黒吸刀なら大丈夫だろう。もしもの時は雷魔法があるから大丈夫だ。



ササササと走って向かった。

オークは、匂いを嗅ぎ付けて立ち上がりやがった。


しかし遅いぞ。

オークの頭が1つ2つと斬って空中に舞っている。

横に大きくステップして、オークの分厚い腹を斬った。

内臓があふれ出して驚愕きょうがくしたまま倒れた。


力がアップした。


5体が取囲んで、一斉に襲ってきた。

それでも遅すぎた。円を描くように回転して手や顔を斬っていった。

1体を蹴り倒して、逃げ出した2体の後を追った。


追い越しながら1体を斬っていた。

離れすぎた。残りの1体に雷撃を落とした。


体を震わせて倒れた。焦げる匂いがここまで匂ってくる。



そうだ、右耳が討伐部位だ。その耳を切り取った。

そして胸を裂いて魔石を探した。

あれ!ないな・・・胸にはなく、腹の中心部にあった。

全ての耳と魔石は回収した。


あ!そうだオークの肉って食えるだったな。ならば回収だ。

黒い渦に吸い込ませた。



もう嗅ぎ付けたのか・・・

オークの血の臭いで、22体のオークが駆けて来るのが見えた。

あの獰猛どうもうな顔がハッキリと見えた。


「来るなら来い!全員斬ってやる」


来たオークを斬って、又も斬り上げた。

前に大きくジャンプして、最後尾の奴を斬り降ろした。


斬り倒したオークを片手で掴んで奴らに放り投げた。

こんなオークなら片手でも楽勝だ。


又もジャンプして、1体を斬り倒した。そして蹴ってオークにぶつけた。

そのまま串刺しにしてやった。


もう暗黒吸刀と暗黒刀の2刀流だ。

斬って斬りまくった。


3体が遠くまで逃げていた。暗黒吸刀と暗黒刀を地面に突き刺した。


コルトMT6400を黒い渦から取り出した。

狙いを定めて撃った。後頭部を打ち抜いた。

お!これが撃った感覚か・・・現実でなくゲーム感覚だ。

次の獲物に狙い定めた。引き金をそっと引いた。


又も後頭部から血が吹きだした。


残りの奴は、なんて足の速さだ。

ちょっと遠いな・・・大きな背中を1発2発、まだ倒れないのか・・・更に2発を打ち込んだ。

崩れるように倒れた。


耳を切って腹を裂いた。

倒すよりこっちの作業に時間が掛かってしうなんて、なんで冒険者がパーティーを組むのか分かった気がするな。


最後の何を喰ってたのかを見た。

むごい。人間死体がバラバラにされて食い漁っていた。

これがここのルールだ。弱い者は死ぬって・・・



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