第7話最高額だ
3階層のコボルトは、素早い奴だ。
それに仲間で協力して襲うので、油断できない。
はら、前の奴が囮になって後ろから襲ってきた。
画面でばれてるのが分からないのか、暗黒吸刀で振向きざまに斬った。
犬の顔が
そして後ろから襲うコボルトを、回転しながら胴体ごと斬った。
すでに倒れたコボルトが1体1体と消えだした。
聞いて知っていたが、やはり魔石がゴブリンより大きい。
そんな魔石を10個も手に入れた。
そして少しだけだが素早さも早くなった。
これも暗黒吸刀のおかげだ。
今日は、ここまでにして帰るか。
「おばさん、換金頼むよ」
「今日は、ぎりぎりだね。18時を過ぎると外のカードリーダーで読み取ってもらうしかないから、気をつけておくれよ。これは大事な忠告だからね」
「そんなのあった。それに忠告って何・・・怪しいなーー」
「あんた知らないのかい。ドアの横のボックスを開けるとカードリーダーがあるから。それに海外へ不正に魔石を売る業者が
「それが俺と何の係わりがある。さっぱり分からないけど」
「よくお聞き。ギルドでは、監視カメラで魔石の持ち帰った探索者を、厳しくチェックして聞き取り調査までするようになったみたいだよ。まあここは問題ないと思うけど・・・12時間業務のギルド支部で、ここより活発な所だけだね」
「そりゃーそうだよ。ここは俺しかいないから」
「そうだね・・・あれ!これって魔石なのかい」
あ!しまった。最初の青い魔石はポーチに入れたままだ。
おばさんが怪しむ目が痛いよ。
「え・・・スライムを倒したんだ」
「何言ってるの・・・スライムを倒した人は居ないよ。聞いた事もないし・・・ちょっと待ってね」
ごそごそと旧式の装置を取り出して、魔石を載せてスイッチを入れていた。
「あら!ほんと魔石ね・・・まあ、換金出来ないけど預かっておくわ」
あ、返してもらえないのか・・・
「入金が終わったわよ」
俺は、軽く手を振って帰った。
17万2千円か・・・1日で稼いだ最高額だ。
うっすらと暗くなった道を、LEDペンライトで照らしながら歩いた。
ここは限界集落だ。この時間なら誰も会うことはない。
街灯もないし、暗くなればLEDペンライトは必需品だ。
あ!そうだ。
「光よ、照らせ」
徐々に目の前で光だした。それは5センチ程の球体だ。
それも俺の前に浮かんで道を照らしてる。
思い浮かべるだけで明るさも調整できた。つくづく魔法って便利だ。
家に帰ると玄関に頑丈なロッカーが置いてあった。
下の宮下ダンジョンから送られたものだ。
あそこは交通の便がよくていいよな。
ここから宮下まで1時間半は掛かる距離だ。
気軽に行く事はないが、ちょっとした物を買うには便利な所だ。
それなりの探索者が頑張ってるみたいだけど、それでも200人ほどだ。
ここも宮下もやっぱり田舎だな。
ドアを開けて、重そうなロッカーを持ち上げた。
え!軽いな。
そうだ。俺は力持ちになったのを忘れてた。
寝室に置いたロッカーを透明なカバーを破った。
あ!説明書が落ちた。
あれ!これってプラグか・・・ロッカーにプラグがいるのか・・・
なんとなくプラグを差込んだ。
「初期設定をして下さい」
お!ビックリした。しゃべるのか・・・声がする所にカードリーダーが付いていた。
ロッカーもハイテクになったのか・・・
探索者カードを読み取らせた。ピッピッピッと鳴った。
「初期設定が完了しました」
説明書を拾いペラペラめくった。
「え!むやみに衝撃を与えないで下さいって、警報が鳴りますって、嘘だ」
プラグを抜くと色々面倒になるって・・・本当かよ。
やはり説明書を読まないとダメだ。
ロッカーを開けてみた。なんて分厚いだ。
泥棒が人力で開けるのもむずかしそうだぞ。
あ!値札だ【スーパロッカー 36万円】げ!36万円。
あの時、気にせずに購入をポチッとした。購入した銃より高いとは・・・
ベッドの横のデスクでノートパソコンを開いた。
やはり魔法を使った探索者は居ない。
これって秘密にした方がいいのかな・・・スライムも倒したと言ったし・・・
なになに、アメリカのトップランカー同士で痴話ゲンカって、そんなのでトップニュースなるのか・・・
ダンジョンの無い国は悲惨だな。
アフリカの小さな共和国は、人口は541,638人だ。
ただダンジョンがあるだけで、隣国に対して偉そうにしている。
昔された仕返しらしい。
アフリカって、ダンジョンの数が極端に少ないのも不思議だ。
だから海外に出て、探索者として魔石を自国に送ってるらしい。
そんな弱みを利用して、各国は危険な探索させてるのが現状だ。
日本でも探索者の強制動員の法案がだされた。
企業のテコ入れだ。
しかし、世論の反対で
大規模なデモがあっちこっちで行なわれた。
昔の学生デモを思い出して、年老いた人も参加した。
最後には国会議事堂に突入して死傷者も出た。
その責任を取って警察関係者が辞めた。
そして総理大臣も辞任するはめになった。
あ!スマホが鳴った。
やはり母からのメールだった。
LINEを使えばいいのに・・・
無事な事を書いて送った。
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