第1話 大切な幼馴染

第1話


僕の名前は浮世 飛鳥。


僕には大切なお友達が居ます。


「あすかくん、あそぼう!」

「うん、にかちゃん!」


この子の名前は木崎 二華。


仲良しで、誰よりも僕と遊んでくれる子なんです。


そんな二華ちゃんが、大好きでした。


それに………


「ねぇ、あすかくん♪」

「なぁに、にかちゃん?」

「わたしたちも、おかあさんたちみたいになれるのかな?」

「どういうこと?」

「ふうふ!ふうふになれるかな?」


今思えば恥ずかしい話だ。


絶対に赤面して、蹲るだろう会話だ。


それでも、当時の僕達は………


「うん!ぜったいになれるよ!」

「やった!じゃあ、やくそく!わたしたち、ぜったいにけっこんしようね!」

「もちろん!」


子供の頃の甘酸っぱい記憶。


いつの日か、ふと思い出すと笑ってしまう様な、懐かしい思い出になる筈だった………


────でも、そうはならなかった。


何処で狂ってしまったのだろうか?


多分、それは………


────俺が牧恵に会ったからなのだろう。


☆☆☆


二華side


私の名前は木崎 二華。


私には大好きな友達、男の子が居ます。


「あすかくん、あそぼう!」

「うん、にかちゃん!」


この子は浮世 飛鳥。


ずっと、出会った時からずっと好きで好きでしょうがなかった人。


だから、私は………


「じゃあ、やくそく!わたしたち、ぜったいにけっこんしようね!」

「もちろん!」


────飛鳥君と約束しました。


絶対に守ってくれると思ってました、信じていました。


だって、飛鳥君は約束を守る人だから。


────でも、違った。


最終的にはそうなるから、我慢しようと思った。


でも、無理だった。


何もかも、全部………


────アイツが悪いんだ。


「許さない、絶対に許さない。」


あの邪魔な女は消えたのに、心に巣食い続けるアイツが嫌いだ。


あの女と同じ様に、私の前から消えた飛鳥君も許せない。


でも、許さなきゃ………


だって、私は………


「飛鳥君のお嫁さんだもの。」


どれだけ、飛鳥君を誑かそうと………


どれだけ、周りの女が飛鳥君に集ってきたとしても………


「私と飛鳥君の仲は壊れない。」


ん?結局、どういう話なのかって?


ふふ、それはね………


「私と飛鳥君の大事なお話の一つだよ。簡単に言うなら、私と飛鳥君の人生の子供編の序盤と中盤その1かな?」


こうやって、振り返るのも楽しいよね?


続く

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