第31話 餌だから

第31話


ルアーside


「さて、今日はどんな料理を作ってあげようかな?」


楽しいなぁ、やっと会えたもん。


楽しいなぁ、やっと尽くせるんだもん。


「あの子も、朱雀ちゃんもこんなに嬉しい事を独り占めしてたなんて酷いよぉ。────まぁ、朱雀ちゃんは何時も通り、何もしてないんだろうけど。」


あの子は何もしないし、何もしなくて良い存在だから………


────そして、それを支える為に私達が居るのだ。


「あの子が撒き餌なら、私は疑似餌かな?」


まぁ、あの人は撒き餌の方にゾッコンだったみたいだけど。


「まぁ、先に出会った者勝ちか。今は私の番だけど。」


でも、ガードが硬そうなんだよなぁ………


まぁ、色々と朱雀ちゃんやその他の二人がやらかしたせいなんだろうけど。


いや、撒き餌のあの子が別にやらかしてたのかな?


「それはそれで燃えるちゃうね。難題ほど、勤勉な私達は越える愉しみが生まれるんだもの。」


故に、私達は………


「ねぇ、そうは思わない?その他、その2さん?」

「酷い言い草ね、釣り道具女。」


酷い言い草は、そっちの方じゃない?


確かに疑似餌で名前はルアーだけどさ、名前をイジる事はイケない事なんだよ?


「はぁ、お前達が人道を語るなよ。化け物の癖にさ。」

「そっちだって、あの化け物の娘じゃん。同族嫌悪を向けるなら、朱雀ちゃんの方にしてくれる?担当が違うのよ。」


だからさ、そんな怖い殺気を向けてくるのは止めてよね?


私、チビっちゃいそう♪


「よくもヌケヌケと。ダーリンに何をするつもりだ!」

「あの人は貴方の者じゃない!!!本来なら、私達の者………いや、私達の支配者なの!!!余所者に兎に角言われる必要はないの!!!」

「────イカれた奴ほど、妄言を吐くのは本当らしいみたいね。」


はは、そんな事を言うならお互い様でしょ?


貴方だって、あの化け物の血を………病みを継いだ怪物の癖に。


「特別に答えてあげる。私は頑張り続けるんだよ、あの人の為に。頑張り続けて、心に残させる。そうして、作り上げた物を………」

「あれが美味しくいただくって事?」

「大正解♪だから、私は何もしないの。」


それに………


「そんなに貴女が私を嫌うなら、私を殺しても良いんだよ?」

「────でも、無意味でしょ?」

「うん♪代わりは幾らでも居るし、私がお願いすれば大抵の事は何とかなるもん♪」


其処に愛がある限り、私達は何度でも蘇る。


貴女のお母さん、あの化け物がそうであった様にね♪


「じゃあ、堂々と真正面から宣戦布告と行きましょうか!」


はは、本当に最高だ!


もうは少ししかないけれど、その全てを尽くして、邪魔な奴等を排除しよう。


「貴方達に習って、こう答えてあげますね!此処から、先は私達の狩猟場セカイだ!」


ずっと、永遠にね?

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