第23話 三葉の大好きなお兄ちゃん 三葉side
第23話
私にはね、大好きなお兄ちゃんが居るの。
えっとね、幼馴染だっけ?
私の二番目のね、お姉ちゃんがね、そうなんだって。
「三葉ちゃん、この人が新しいパパよ。」
お兄ちゃんのお父さんがパパになった。
パパじゃないのに、可笑しいよね?
でも、お兄ちゃんが本当のお兄ちゃんになったの。
そして、三番目のお姉ちゃんも出来たの。
「お兄ちゃん、ずっと一緒。駄目?」
「良いよ、三葉。お前も良いだろ、□□?」
「勿論。ずっと宜しくね、三葉ちゃん♪」
だから、ずっと一緒なの。
三番目のお姉ちゃんとね、私のお兄ちゃんとでねずっと、仲良くするの。
なのにね………
三番目のお姉ちゃん、居なくなったの。
そしたら、お兄ちゃんも可笑しくなったの。
「ごめん、三葉………」
そしたら、今度はお兄ちゃんまで何処か行っちゃったの。
お姉ちゃん達に聞いても………
「知らないわよ、あんな奴………」
「………知らない。知らないったら、知らない!」
って、返ってきたの。
怒ってたし、悲しんでたし、変な感じだったの。
「寂しいなぁ………」
私は一人なの。
パパじゃない人も、お母さんも仕事なの。
お姉ちゃん達は学校でお勉強。
だから、私は一人なの。
お友達は居るし、よく遊ぶけど、あの家では一人なの。
「お兄ちゃん、寂しいよぉ………」
嘘付きなお兄ちゃん………
ずっと、一緒に居るって言ったのに………
☆☆☆
「やっと会えた!」
家族の元へ戻る私はそう呟いた。
お兄ちゃんは元気そうにしていたけど、やっぱり嘘付きになってた。
それに、変な女の人と居た。
浮気?浮気なのかな?
でも、あの人達の誰かがお兄ちゃんのお嫁さんになるのかな?
なら、あの人達と誰かと一緒になるのかな?
「お姉ちゃんが増えるんだ!やった!」
お兄ちゃんが今すぐ帰って来ないのは残念だけど、やっとね、私解ったの。
「私がお兄ちゃんを帰って来れる様にすれば良いの。」
あの町に行けば、また会えるかも。
小学生の私でも解る事だし、どうせママ達は私の事なんて見てないの。
だから………
「次は見つけるだけじゃなくて、私から会いに行くからね!」
お兄ちゃん、驚くよね?
何か楽しみ♪
「でも、あの胸が小さな女の人、怖かったなぁ………」
ちょっとだけ顔が見えた時ね、凄く背中がゾワッてきたの。
怖いテレビをね、お兄ちゃん達と一緒に見てた時とね、同じなの。
「う〜ん、あの人がお姉ちゃんになるのは嫌だなぁ。」
今度お兄ちゃん会えたら、そう言っておこうっと。
続く
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