「あれ?お母さん、あそこにいた人が消えたよ」


「何言ってんの、人が急に消えるわけ無いじゃない」


「ほんとだよ、嘘じゃないよ。この黒い箱を踏もうとした人が消えたんだよ、マジック?ドッキリ?どこかにテレビカメラが隠れてたりして!」


 ベンチの横には黒い箱が転がっていた。


「なんだろ、この箱」


 男の子が手を伸ばした時、強い風が吹いた。黒い箱はカラカラと転がり、公園の片隅の雑草に引っかかり、隠れるように止まった。



 ーーーーー了ーーーーー

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柏堂一(かやんどうはじめ) @teto1967

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