第8話 このベッドすごいよ!さすが以下略
朝食を食べ終えてから、今日しなくてはならないことをレオと確認しました。
まず、お家を確保しなくてはいけませんわ。
でも、これは簡単なの。
「家作るのは大変なんだよ。リーナはお姫様だから、知らないだけだよね?」
「わたしを誰だと思って?」
「リーナでしょ?」
「そうですけど! そうではなくて、ヘルヘイムのお城はわたしが建てたんだから」
「えー!?」
正確には魔法で建てたのですけども。
どうせ実際に目で見ることになるのですから、ネタをばらす必要はありませんわね。
「簡単ですわ。新しいお家はここでよろしくて?」
「よろしくてって、いいね! リーナがお姫様みたいだ」
「お姫様だからね?」
「分かってるよ。リーナ姫」
「心がこもってないわね、レオ君」
レオは素直過ぎて、たまに失礼だわ。
わたしはどこから、どう見てもお姫様でしてよ?
むしろ、わたし以上にお姫様な子がいますの?
いませんでしょう? 異論は認めませんわ。
「始めますわ。
「うん」
亜空間から、魔法杖ユグドラシルを取り出してから、新居予定地に向けて、振るだけであら、不思議ですわ~。
このユグドラシル。
名前こそ、アスガルドに生えている
ユグドラシルに伝って、その力を受けていたかもしれないだけのツタでしてよ。
丸太造りの二階建て家屋があっという間に出来ましたの。
簡単すぎますわ♪
「す、すごい」
「どうですの? わたしに……」
「どうやったの? 僕にも出来るかな? 教えてよ、リーナ」
だから、そのキラキラした目でお願いするのはやめてぇ!
「中も出来てるんだ。すごいね」
「そ、そうね」
レオのどうやったのという質問攻めで無駄に疲れたのはなぜかしら?
レオは好奇心が旺盛だから、仕方がないのでしょうけど。
「一階にはリビングとキッチン、それに浴室もあるわ。お
「部屋もたくさん、あるんだね」
「これくらいの見た目なら、贅沢にも見えないでしょう?」
「うん。前の家よりもちょっと大きくなっただけだね」
でも、実際には機能面でかなり、改良しているのは秘密なの。
水回りは水の魔石で簡単に処理が出来るようにしました。
火の魔石を併用することでお湯も出ます。
一応はお風呂の問題も解決されるのですけど、これは保留ですわ。
「うーん。僕とリーナの部屋は別なんだね」
なぜか、急にシュンとなって、落ち込んだようなレオを見ると胸の奥がキュンとなって、辛いわ。
「わたしと一緒の部屋がいい?」
「うん。その方が楽しいよ」
楽しい……何か、違う気がしましてよ?
でも、レオがそう望むのなら。
嘘ですわ。
本当はわたしもレオと一緒の部屋が良かったの。
ただ、それを強要するのは違う気がしたから。
だから、嬉しいわ。
「これでどうかしら? 二部屋をまとめて、広めの部屋にしたわ。ベッドも大きくなったの」
「うわー。すごいね。このベッド! 面白いや」
ベッドの上にダイブして、跳ねてを繰り返して楽しんでいるレオを見ているだけでも幸せですわ。
でも、ベッドの中に何が入っていて、弾むのかは知らない方がいいと思うわ。
ひとしきり、レオと新居を堪能してから、後のことはお
次はお風呂の確保ですわ!
「ニーズヘッグ。ガルム。一仕事してもらうけども、いいかしら?」
「しーごとーごとごとー」
「わふでふ」
騎士団の騎士のように礼儀正しく、わたしの前にちょこんとお座りしている『冥竜』ニーズヘッグと『地獄の番犬』ガルムはやる気満々みたい。
あの子らは何かをすると何かが貰えるというのを覚えているせいね。
「何をさせるの?」
レオは不思議そうというよりは何が起きるのかが楽しみで仕方がないという好奇心が溢れ出ている表情だわ。
彼はきっと天から、そういう才能を貰っているのか、あっという間にニーズヘッグとガルムとも打ち解けたわ。
ありえないのよね。
わたしがいないとまず、懐くことがない子達なのにわたしがいなくてもレオは平気なんですもの。
「この島が火山島なのは知っているでしょう?」
「火山で出来た島ってことだよね」
「死火山で良かったですわ」
「しかざん?」
「活動を停止している火山なの。もしも、活発に活動していたら、この島の規模ではひとたまりもないのではなくて?」
「そうなんだ? 火山は怖いんだね」
本当にそう思いましてよ。
火山が爆発したら、この島は逃げ場がないですもの。
お
魔法を使うのが得意な魔物もあまり、いないので打つ手がないのですわ。
「でも、死火山で活発な活動は見られないから、大丈夫なの。それにいいこともあるのよ」
「いいこと?」
「温泉が湧くかもしれないわ」
その為にニーズヘッグとガルムに一仕事をさせますわ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます