第6話 僕は抱き枕じゃない
小さな勇者の視点
気配と音で何となくだけど、分かった。
リーナは何も着てない。
彼女と一緒にいたことで島では知らないことを色々と学ぶことが出来た。
大切な女の子は大事にして、守らないといけない。
それに着替えを見てもいけないんだ。
何回か、怒られたから、さすがに覚えた……。
だから、ここはリーナの方を見てはダメだ。
それが男というものなんだろう。
まだ、よく分からないけど、きっとそうなんだと思う。
しかし、このベッドは僕がずっと使ってきたものだからか、小さい。
二人で寝るのは無理な気がするけど、リーナもそんなに大きくないから、ちょっとくっつくけど何とか、寝れるとは思う。
だいたい、リーナはそんなに大きくないのに僕のことを小っちゃいって、言いすぎじゃないかな?
僕も少しは気にはしているんだ。
早く、大きくなりたいとは思っているんだ!
そうしたら、リーナはどう思うのかな。
あれ? 僕は何でそんなことを気にしているんだろう。
そんなことを考えているうちに僕はいつの間にか、夢の国に旅立っていた。
これはきっと夢なんだろう。
僕は下着も脱いで裸になっていた。
おかしい。
周りの風景も僕の部屋ではないんだ。
僕は裸で立っている。
何だか、変な気分だ。
今日、リーナにいじられたところがムズムズしていた。
「ねぇ。レオ」
リーナが裸で目の前にぺたんという感じで座っていた。
本当にぺたんと腰掛けている感じで両手を床についているから、僕と違って膨らんでいる柔らかそうな彼女の胸が強調されていて。
それを見ていると僕のムズムズはますます、強くなっていく。
「レオのそれをわたしのここにちょうだい」
リーナの声が甘ったるく聞こえてくる。
彼女の指がピンク色の貝をゆっくりと撫でて、僕は生唾を飲み込んだ。
「それって、何?」
「レオの元気なのをここに欲しいの。ねぇ、いいでしょう?」
猫みたいなリーナの目がトロンと目尻が垂れていて、かわいい。
誰にも渡したくない。
潤んだその目に魅入られたように僕は……
「うわっ」
変な夢を見たせいかな?
急に目が覚めてしまった。
まだ部屋は薄暗いままだから、夜明けはまだみたいだ。
それに目が覚めた理由はどうやら、夢のせいじゃなかった。
「うぅ~ん。りぇおぉ」
リーナは寝相があまり、良くないらしい。
寝る前はちょっとくっついていたくらいなのに今はぴったりとくっついている。
彼女の両腕が僕の上半身をしっかりとホールドしているんだ。
それも結構、力が強い。
さらに彼女の長い足が僕の腰に絡みつくようにかけられているんだ。
これがまるで大きな蛇に巻き付かれたみたいにギリギリと締めてくる。
もしかして、僕は抱き枕と間違えられているのかな?
でも、背中にリーナの胸が押し付けられている感触は好きかもしれない。
柔らかさが癖になりそうだ。
僕はちゃんと寝られるのかな?
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