0522 魔王ドロズニン討伐
屋敷の中へ入った俺たちを待っていた男がいた。
「よお!大将!待っていたぜ!」
「デフォード!」
それはデニケンの様子を探っていたデフォードだった。
「君がここにいるという事は、やはりここが魔王の本拠地なのか?
「ああ、ようやくの事でここを見つけてな。
数日前から張っていて、何か収穫があったら大将に知らせようと思っていたんだが、思いのほか大将がここに早くたどり着いたんで、驚いたぜ!」
「そうか?
それで魔王の居場所はわかるかい?」
「ああ、任せてくれ!
その辺はもう調査済みだ!」
「では頼む」
「合点だ!」
俺はシブレルに案内をさせようと考えていたが、デフォードが案内を出来るのならばそちらの方が話は早い。
俺たちはデフォードの案内によって屋敷の中を進む。
一応、シブレルも一緒だ。
そして奥まった一室の前へ到着するとデフォードが俺たちに忠告する。
「ここでちょいと横へ避けててくれ」
「わかった」
俺たちが横へ避けると、デフォードが呪文を放つ。
「アニーミ・トリデク・エスト」
呪文と共に30体のタロスが現れて、その1体が扉を開こうとする。
するとたちまち中からドドドド・・・と轟音が響き渡り、扉の側にいたタロスを攻撃する。
何体かのタロスがやられるが、残りのタロスが中へ突入する。
そして俺とエレノアも上級タロスを生成して中へ送り込む。
さらにバッカンさんが周囲にマギア・レジーニを展開する。
これで中からの攻撃は完全に止まった。
そして中から誰かの怒号が聞こえてくる。
「なんだ!魔法が使えなくなったぞ!」
「ええい!一体、どういう訳だ!」
中からの攻撃が止んだ所で、俺たちも魔法防御をしながら中へと入る。
そこには数人の男たちが俺とエレノアのタロスによって捕獲されていた。
「どいつがドロズニンだ?」
俺がデフォードに尋ねるが、デフォードは首を横にふる。
「いや、こいつらの中にはいねえな。
しかし奴はここ数日屋敷から出ていないはずだ。
どこかに隠れているに違いない」
「そうか?
おい、お前ら!ドロズニンはどこへ行った!」
しかし俺の質問にタロスに捕縛された連中は答えない。
拷問する時間も惜しいので、俺はシブレルに問いただす。
「おい!シブレル!
お前は知っているはずだな?
答えろ!」
「・・・そこの本棚の後ろに隠し通路がある・・」
それを聞いた捕縛された連中が騒ぎ出す。
「シブレル!貴様!」
「我等を裏切るつもりか!」
「うるせーっ!俺はまだ死にたくないんだよっ!」
シブレルたちが騒いでいる間に俺たちは行動を起こす。
「豪雷!疾風!そこの本棚をずらしてみろ!」
二人が本棚をずらすと果たしてそこには、ぽっかりと空いた通路が出現した!
「よし!先へ進もう!
シルビアはここにいた連中をこのままエトワールさんの所へ連れて行って、二人でこの連中が素直に話すように躾けておいて!」
「承知いたしました。
御主人様たちもお気をつけて」
「うん、わかっている!」
俺たちはその場をシルビアに任せてさらに先へと進んだ。
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