0520 デニケンとの対決
ついに俺たちはデニケンを追い詰めた!
デニケンの言葉にその金髪の人物が笑いながら答える。
「ほう?どうして私が死んだはずなのだ?
デニケン?説明してもらおうじゃないか?」
「私じゃない!私はやってないぞ!
シモン!許してくれ!」
そう、それは何と死んだはずのシャルルの父親、シモンさんだった!
当然の事ながら、それが死んだと思いこんでいたデニケンはこれ以上ないほどに慌てふためく。
「やってない?
一体何をやってないと言うんだ?」
「俺はお前を奴隷にして売り飛ばしただけだ!
後はあの御方が・・・」
「あの御方?一体誰の事だ?
さあ、説明しろ!デニケン!」
「うわ~っ!」
恐慌状態になったデニケンが脱兎のように逃げる。
俺たちと反対方向の出口へ逃げたデニケンだったが、そこへ俺にも見覚えのある人物が現れる!
その人物からいきなりヒュッ!とムチが飛んできて、デニケンの首を締めあげる!
そしてその意外な人物がギリギリとムチを締めあげながらデニケンに近づく!
突然の登場に俺も驚きだ!
その人物がデニケンを締めあげた上で、激しく詰問をする。
「ノーザンシティのデニケンッ!
2月2日、ナスカ・ゴロブという男を殺したのはお前だなっ!」
それはバロン、ジャスティス、ヒミコ型ジャベックを伴った男爵仮面だった!
ムチで首を巻かれたデニケンは慌てて叫ぶ!
「違う!ナスカ・ゴロブを殺したのは俺じゃない!」
「ウソをつくなっ!」
「うう、本当だ!
俺はその時、ロナバールで肉まんを食べていた!」
「なにぃ~っ!
ではナスカを殺したのは誰だっ!」
「うう・・ナスカ・ゴロブとシモンを殺した真犯人は魔王ドロズニン・・・」
そこまで言ったデニケンの頭をドスッ!と何かが貫く!
「はがっ!」
悲鳴を上げて一瞬でデニケンは絶命した。
俺たちがそれが飛んできた方を見ると、そこには一人の男がいた。
その男が得意げに話す。
「はっはっは・・・
我がドロズニン魔王軍にはおしゃべりはいらん!
口の軽い奴を処罰するのが我が魔王軍の掟なんでな。
そしてその男が一人いなくなっても我が魔王軍は小揺るぎもせぬ」
「貴様!何者だ!」
「我こそはドロズニン魔王軍幹部の一人、シブレル様よ!」
おいおい!こいつもいい加減口が軽いんじゃないのか?
「アニーミ・エスト!」
俺が呪文を唱えると、紺色の蔦状のタロスが発生し、その男を締めあげる。
その蔦状タロスに締め上げられた男が驚いて声を上げる!
「なっ!これは一体?
ここはその爺の結界の中で魔法は使えないはずでは?」
「残念だったな。
俺には使えるんだよ」
俺のレベルはエレノアの特訓のおかげですでにレベル400を超えていた。
そのレベルはバッカンさんよりも上なので、俺やエレノアはバッカンさんのマギア・レジーニの結界内でも魔法を行使する事が可能だ。
「なんだと!」
驚愕する男に俺が冷たく言い放つ。
「さて、デニケンはすでに話ができなくなってしまった。
お前がそうしてしまったんだ!
詳しい事はお前さんから聞こうじゃないか?」
そう言って俺はその魔王軍の幹部とやらを捕縛した。
それを確認したユーリウスさんがノーベル理事長を促す。
「理事長、御覧の通りです。
事は重大で急を要します。
ひとまずここは閉会して善後策を立てましょう」
「承知しました。
皆さん、御覧の通りの状況です!
今回の臨時理事会は理事長権限で、これにて閉会します!」
臨時理事会は閉会されて、俺たちは急遽魔王軍幹部の聞き取り調査をする事にした。
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