第41回 競輪GP2023を終えて

 さて本日(12月30日)、立川競輪場にて2023年の競輪GPが行われました。今年の栄冠に輝いたのは、③松浦まつうら悠士ゆうじ選手でした。では、ここから今年の競輪GPを振り返ってみたいと思います。


 打鐘ジャンのタイミングで⑧新山-②佐藤の北日本ラインが先行。その後、直ぐに⑨脇本-①古性の近畿ラインが巻き返しをしました。この近畿ラインの仕掛けのタイミングが早かった印象を受けました。

 ですが、⑨①の近畿ラインは凄まじい勢いで⑧②の北日本ライン越えて、残り1周に入ります。最終1センター(1コーナーと2コーナーの間)を抜けて、最終バック・ストレッチ。ここで⑨①の近畿ラインが完全に抜け出す展開になりました。これを観て今年も⑨脇本、①古性の近畿ラインでワン・ツーで決まりかと思いました。しかし、今年のGPはこれで終わりませんでした。


 最終2センター(3コーナーと4コーナーの間)に差し掛かるタイミングで、⑤深谷が単騎で猛烈な捲り。2センターを抜けて、最後の直線へ差し掛かる瞬間には⑨①の近畿ラインを飲み込んだのです。これには、『⑤深谷の初GP制覇か!?』と非常に熱い展開だったのですが、さらに⑤深谷の背後から③松浦の捲りが届きました。ゴール線を通過する瞬間、⑤深谷と③松浦が入れ替わったのです。

 ほんの僅かなタイミングでした。正直、⑤深谷が⑨①の近畿ラインを飲み込んだときには、⑤深谷の優勝と思ったのですが、それをさらに③松浦が捉えたのです。

 結果は、優勝・③松浦まつうら悠士ゆうじ準優勝2着・⑤深谷ふかや知広ともひろ。3着・④眞杉ますぎたくみでした。


 今年は興奮の連続の競輪GPになりました。最後は目まぐるしい展開で、近畿ラインで決まりと思ったら、⑤深谷の単騎捲りが飲み込んでからの③松浦の優勝で、本当に見応えのあるGPでした。


 予想はハズレでした。前回の2車単予想に⑤深谷を加えたBOXにしておけば当たりでしたが。それでも、今年の競輪GPを観た後の気分は清々しかったです。

 ⑧新山は予想通りの先行。己のスタイルを通し続ける戦いぶりは格好良かったです。

 今年は怪我で苦しんだ⑨脇本。久しぶりに彼らしい勢いのあるレースをして、最後は今年も近畿コンビで決まりかとも思いました。

 単騎⑤深谷は6年ぶりの競輪GP。最後の直線では、近畿コンビを飲み込んでGP初制覇を思わせる素晴らしい捲りでした。

 そして、今年の栄冠に輝いた③松浦。今年は年始の体調不良と、夏場の落車。今月も別府GⅢの決勝で落車など、怪我に苦しんだ一年でした。今年はGⅡ・ウィナーズカップやGⅡサマーナイト・フェスティバルでの優勝もあり、タイトル獲得が無かったワケではないのですが、調子が良くなったと思ったら落車してということが続き、非常にもどかしかったでしょう。苦しかった分、このGP初制覇は非常に嬉しかったはずです。


 先述のように、私の予想はハズレでも、優勝した③松浦の笑顔と涙をみれば、悔しい気持ちは微塵もありません。むしろ、競輪ファンで良かった。そう思える2023年の競輪GPであり、締め括りになったと思います。松浦選手、優勝おめでとう!!!



 さあ、今年のGPが終われば、もう来年のGPへの戦いが始まっています。来年のGPの舞台は静岡競輪場。2018年、2021年に続き、3回目のGP開催になります。来年の競輪GPに集う9名は誰か?『来年のことを言えば鬼が笑う』と申しますが、競輪ファンは暢気に笑ってる場合ではありません。また、競輪選手とファンが集う競輪GPを楽しみにしつつ、今年の締めとしたいです。

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