第38回 2023年最後のGIの栄冠は誰に

 さて、11月26日(日)に競輪祭GIの決勝戦が行われます。11月21日(火)から始まった今年最後のGI。まずは決勝戦に勝ち残った選手を見てみましょう。決勝戦まで勝ち上がった9名は以下のようになります。


 ①脇本わきもと雄太ゆうた:福井県 S級S班 34歳(逃)


 ②松浦まつうら悠士ゆうじ:広島県 S級S班 33歳(両)


 ③深谷ふかや知広ともひろ:静岡県 S級1班 33歳(逃)


 ④松井まつい宏佑こうゆう:神奈川県 S級1班 31歳(逃)


 ⑤太田おおた海也かいや:岡山県 S級2班 24歳(逃)


 ⑥簗田やなだ一輝かずき:静岡県 S級1班 27歳(両)


 ⑦眞杉ますぎたくみ:栃木県 S級1班 24歳(逃)


 ⑧北津留きたつるつばさ:福岡県 S級1班 38歳(逃)


 ⑨みなみ修二しゅうじ:大阪府 S級1班 42歳(追)


 そして、決勝戦での並びは以下になります。

 ←③④⑥(南関東地区) ⑦(関東) ⑧(九州) ⑤②(中国) ①⑨(近畿)


 この決勝戦でキーとなるのは南関東ラインの動向でしょう。この南関東ラインの並びに特徴があります。

 それは③深谷-④松井-⑥簗田の並びになったことです。同じ地区内の選手で並んだのですが、所属する県で見てみると、静岡県(深谷)-神奈川県(松井)-静岡県(簗田)となっています。当初、南関東ラインの並びはどうなるのかで、二つのパターンが考えられました。一つ目が『④-③-⑥』のパターン。二つ目が今回の『③-④-⑥』のパターンです。

 脚質的に言うと③深谷選手と④松井選手は同じような先行型の選手です。しかし、この二人が、どちらが前になるのか、後ろになるのかで南関東ラインの思惑が見えてきます。結果的に『③深谷-④松井-⑥簗田』となったので、この場合、南関東ラインは④松井選手を優勝させたいとの思惑が見えます。


 11月25日(土)に競輪祭・準決勝が終了した時点で、今年の競輪GPの出場枠がしています。それが以下の8名です。

 今年GIを優勝している古性こしょう優作ゆうさく(大阪府)、山口やまぐち拳矢けんや(岐阜県)、眞杉ますぎたくみ(栃木県)。

 そして、賞金ランキング選考枠で佐藤さとう慎太郎しんたろう(福島県)、松浦まつうら悠士ゆうじ(広島県)、清水しみず裕友ひろと(山口県)、深谷ふかや知広ともひろ(静岡県)、脇本わきもと雄太ゆうた(福井県)。


 競輪祭GIの決勝戦では、競輪GP確定な選手が四名いることになります。その中には③深谷選手がいるのです。決勝戦を迎えた時点で、深谷選手は今年の競輪GPへの切符を手にしている状態です。無論、③深谷選手が優勝すれば、より間違い無い話になります。

 しかし、③深谷-④松井-⑥簗田と並んだ時点で、決勝戦では③深谷選手の先行が濃厚と読みます。③深谷選手が先行し、番手の④松井選手の優勝を目指すということかな?と。


『並び』から想像できる展開は、決勝戦を走る選手たちも想像しているでしょう。

 そうなると、他の選手たちの動向は如何に?ここで考えるべきは、⑤太田選手の動向。彼もまた脚質的に先行型の選手なのですが、南関東ラインに対して、どう対処するかで運命の分かれ道でしょう。

 ⑤太田選手は準決勝戦にて強烈な『逃げ(決り手)』で決勝戦への切符を得ました。これが決勝戦にて炸裂すれば、南関東ラインも安泰とは言えない状況になります。また、南関東ラインと中国ライン(⑤太田-②松浦)の叩き合いになれば、近畿ラインや、単騎で走る選手たちに大チャンスな展開になります。


 さて、ここからは本格的に予想へ。展開予想と共に、具体的な予想を―。


 予想①:『南関東ライン勝利パターン』

 2車単:

 ④-③(深谷が逃げて松井が優勝)

 ③-④(深谷が捲った、又は松井が深谷を交わせない場合)

 ④-①②⑦⑥(松井の番手捲り。2着は有力な選手で)

 3連単:

 ③④-③④⑥①②⑦⑧-①②⑥⑦⑧

 ※③深谷と④松井を1、2着に固定。2、3着へ手広く①②⑥⑦⑧を加える。

 ①②⑥⑦⑧はいずれも確定板入りする可能性が高いので、当てるのであれば2、3着を厚めに買うしかない。


 予想②:『中国ライン勝利のパターン』

 2車単:

 ②⑤のBOX(太田の逃げ切り、又は松浦が太田を交わす)

 ②-①④⑦⑥(太田が逃げて松浦の番手捲り。他の選手が2着)

 ⑤-①④⑦⑥(太田の逃げ切り。松浦が番手の仕事をして3着以下)

 3連単:

 ⑤-②①⑥⑦-①②⑥⑦

 ※⑤太田が逃げて、②番手の松浦が仕事をすれば、⑤太田の優勝。②松浦は⑤太田を交わせず。

 ②-①⑥⑦-①⑥⑦⑤

 ※⑤太田の逃げを生かして、②松浦が優勝。⑤太田が2、3着に粘る可能性も。


 予想③:『①脇本、復調の優勝』

 2車単:

 ①-⑨②⑦⑥(①脇本の捲りがバチっと決まる)

 3連単:

 ①-⑨②⑥⑦-⑨②⑤⑥⑦(やはり①脇本の捲りがバチっと決まっての場合)

 ※夏の怪我以来、GIの決勝戦まで帰ってきた①脇本の優勝。だが、調子を加味すると、逃げる展開は想像しづらい。タイミングを計り、捲って優勝を狙うと予想。3着に⑤太田を入れるかはアナタ次第。


 予想④:『欲張り穴目車券』

 2車単:

 ⑥⑦のBOX(不気味な調子の良さの⑥簗田。優勝だけを考えれば良い⑦眞杉)

 ⑦-②⑥⑤(単騎⑦眞杉の優勝)

 ⑥-②③④⑤⑦(今大会動きの良い⑥簗田の奇襲)

 3連単:

 ⑥-⑦③②-⑦③②(深谷が逃げて混戦になった場合。⑥簗田の突き抜け)

 ⑦-①②⑥-①②⑥(混戦になり⑦眞杉が突き抜ける)


 予想⑤:『もう予想は関係無いでしょう!?オカルト車券!?』

 2車単:

 ③-②(今年の競輪カレンダーの11月に②番、③番の順番で選手が写っている)

 ②-③(上記の競輪カレンダー理論。裏を喰うと悔しいので、これも一応)

 ⑥-⑤(今年の競輪祭は、第『65』回だから)

 ②-⑥(決勝戦の日は、『26』日だから)

 ⑧-全(今年の競輪カレンダーの11月に⑧北津留選手が写っているから)

 3連単:

 ⑥⑧-⑥⑧-⑤①②③⑦

 ※やけに調子の良い⑥簗田と、今月の競輪カレンダーを飾る⑧北津留から。3連複でも美味しい車券になるかも!?


 ※ちなみに、⑧北津留選手は今年1月レースの失格(先頭員早期追い抜き)にて、今回競輪祭で優勝しても、競輪GPを走れない可能性があるという特殊な事情もあったりします。


 今年の競輪祭をここまで振り返ってみると、やはり一年で最後のGIということで、緊張感は他のGIよりも大きい気がします。開催時点で既にGPへの切符権利を持っている選手。そうではない選手。優勝しなくては後がない選手。選手の抱える事情は様々ですが、皆の負けられないという気迫と緊張感が詰まったGI。それが競輪祭です。

 さあ、泣いても笑っても11月26日(日)に、今年最後のGIチャンピオンが決まります。優勝と共にGPへの切符を手にするのは誰なのか!?決勝戦発走の20時40分まで考えましょう!

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