第31回 衝撃のラストは待っていた!?第77回・日本選手権競輪の結末!
5月7日(日)、平塚競輪場(平塚市)にて第77回・日本選手権競輪GIの決勝戦が行われました。
そして、77回目のダービー王には、④
決勝戦では中四国ラインを先導する⑦犬伏選手が最終先行となりました。そして、このタイミングで中四国ライン三名の後ろ、つまり4番手の位置を④山口選手は透かさず取ったのです。この一瞬の判断が、命運を別けたと言えるでしょう。
④山口選手が中四国ラインの4番手に収まり、⑤新山選手の率いる北日本ラインは5番手以降に。そして、①⑨で並んだ脇本選手と古性選手の近畿コンビは、後方に置かれる展開になったのです。
①脇本選手は間違いなく調子が良かったはずです。しかし、そんな脇本選手でも後方に追いやられる展開では厳しかった。
しかも、決勝戦のタイミングは悪天候(雨)であり、そうなると後方に置かれては巻き返しが効かない状況になってしまいました。
最終2センター(最後のカーブ)に差し掛かるタイミングで、北日本ラインを率いる⑤新山選手も捲りに出ます。しかし、これが外側に浮いてしまい、不発。
一方、⑦犬伏選手の番手から飛び出した③清水選手は、最後の直線を猛然と駆け抜けます。しかし、この中四国ラインの4番手にいた④山口選手も凄まじい勢いで最後の直線を伸びてきました。そして、③清水選手をゴール寸前で交わしたのです。
結果、優勝は④山口拳矢選手。準優勝が③清水裕友選手。そして、3着には北日本ラインの②佐藤慎太郎選手となりました。残念ながら、圧倒的な力と人気を誇った①脇本選手と、⑨古性選手のコンビは敗れたのです。
④山口拳矢選手は、2020年5月に競輪選手としてデビューしました。そこから、およそ3年。彼は競輪界最高峰のレース、日本選手権競輪GIでの優勝を手にしたのです。
拳矢選手はデビュー当時から注目を集める存在でした。彼自身の強さもあったのですが、父・山口幸二さんも競輪選手でした。そして、その御父上は特別競輪(GI)と、競輪GPを2回優勝する実力ある選手だったのです。
現在、父・幸二さんは引退されて、競輪番組では欠かせないコメンテーターとして活躍されています。また、拳矢選手の叔父である
そんな中で、周囲から注目されるプレッシャーもあったでしょう。拳矢選手は、デビューの翌年(2021年)に、地元の岐阜競輪場で開催された共同通信社杯(GⅡ)で優勝しています。GⅡは『準特別競輪』という扱いなので、優勝しても競輪GPへの権利は得られません。
ですが、
結果として、その年の競輪GP(2021年)には出場できませんでした。ですが、『山口拳矢、ここに有り!』とインパクトを残したのも事実。単に、『有名な選手の息子』だけではない。優勝という形で実力を残したのです。
しかし、2021年の共同通信社杯・優勝以降は、特別競輪(GI)や、準特別競輪(GⅡ)での優勝はありませんでした。また、それ以降のGI、GⅡでの決勝進出も無かったのです。
ですが、2021年の共同杯・優勝以降での決勝進出。それが、今回の日本選手権競輪GIでした。そして、それ以降でのGI、GⅡの優勝が、今回の
今回のダービーで、圧倒的な強さを示していた脇本選手や古性選手。それに新山選手や、清水選手など、他にも調子が良い選手たちがいる中での優勝。『衝撃のラストを見逃すな』というキャッチフレーズに相応しい結末でした。
そして、ダービー表彰式のインタビュワーには、父・山口幸二さんが登場したのです。
山口幸二さんの表彰式インタビューは毎度お馴染みなのですが、そこへ来たのが自分の息子だったならば、どんなに嬉しかったでしょう。
それに山口幸二さんが現役時代に手にすることができなかった日本選手権競輪GIでの優勝を、息子の拳矢選手が成し遂げたのです。幸二さんのインタビュー後、拳矢選手と抱き合い、喜びを分かち合う瞬間は、二人だけではなく、全ての競輪ファンの記憶に刻まれたと思います。
ダービー・決勝戦の予想は外れてしまいましたが、衝撃のラストを見逃すことはなかったので、そこには満足しています。ダービー王・山口拳矢の活躍を期待したいと思います。
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