第32回 浪花のチャンピオンは強かったよ

 というわけで、6月18日(日)に第74回・高松宮記念杯競輪GIの決勝戦が行われました。『今回の優勝者は─』と言うよりも、地元・大阪の古性優作選手の優勝となりました。


 古性選手は今年最初(2月)のGI・全日本選抜競輪を優勝。年末に開催の立川GPへの切符を最初に手にしていました。古性選手は全日本選抜競輪GIを、昨年に引き続きの2連覇となりました。


 そして、今回の高松宮記念杯競輪GI。昨年の優勝は、地元・大阪の古性選手です。全日本選抜競輪に引き続き、ここでも連覇が期待されていました。しかし、思わぬ事態が起きます。


 6月13日(火)の開催初日。古性選手は1次予選で何と落車してしまったのです。思わぬ事態に驚いたファンの人は多いでしょう。そもそも、古性選手は自転車競技の一つである『BMX』で名を馳せた人物で、現役の競輪選手の中でも体幹が強いことでも知られています。そんな彼が、まさか落車するとは思ってもいませんでした。


 初日のレースで落車した古性選手ですが、欠場をせず、走ることになります。そして、決勝戦を含めて、その後の4走を4連勝して、今回の優勝になりました。


 競輪選手にとって、落車とは非常に怖いものです。時速70キロで競争する選手たち。私たち一般人が普段の生活で自転車事故が起きた場合、大きな怪我や、命にかかわるような事態になるのは、ニュースで目にする人も多いでしょう。

 一般人が時速70キロというスピードで自転車に乗ることは、まずあり得ないでしょう。ですが、事故になれば一大事です。それを考えれば、競輪選手とは如何いかに命懸けな職業なのかと思います。


 落車の苦難を乗り越えての優勝は、古性選手にとって特別なものです。それは本人も、そして、全国各地で決勝戦を観ていたファンたちもわかっているでしょう。


 古性選手にとって、今年2回目のGI優勝。通算で5回目のGI優勝。昨年(2022年)に引き続き、高松宮記念杯競輪GIを連覇。さらに、今日の優勝が通算300勝目の節目でもありました。こういうドラマは、フィクションの世界だけではないことを見せてもらった気がします。古性選手、本当におめでとう!

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