第25回 競輪場の風景

 今日は静岡競輪場へ向かった。お目当ては、2月9日から開催されていた開設記念競輪G3『たちあおい賞争奪戦』の最終日を観戦するため。


 そこで感じたのは、久しぶり『競輪場の風景』を観たことだ。昨年末に観に行った平塚GPは例外として、静岡の地に集まった多くのお客さん。レース中の声援、雄叫び。ここ3年程、こんな風景から遠ざかっていたなぁと思い返した。


 そもそも、静岡は数ある競輪場の中でも、集客力上位の競輪場。ここ10年では、全日本選抜競輪(2015)、日本選手権競輪(2016)、そして、競輪GP(2018、2021)も行われている。


 しかし、そんな競輪場の風景を変えたのが、『コロナ』である。静岡競輪場は、その影響をモロに受けた。


 2020年のゴールデンウィーク。本来は静岡競輪場にて、日本選手権競輪が開催されるはずだった。

 しかし、その年の日本選手権競輪は幻となった。開催中止となってしまったのだ。

 それ以降、コロナは他の競輪場の開催にも影響を与えた。開催の中止。それまで当たり前だった9車立てのレースは、グレードレースだけになった。


 それから3年。再び静岡競輪場で、コロナ前の姿を見た気がした。競輪場の風景。車券が当たったり、外れたり。喜んで、嘆いて。沢山のお客様の悲喜こもごもが静岡競輪場にはあった。


 だが、何もかもが元に戻ったわけではない。コロナによって失われたものは、競輪以外の事象でも沢山ある。その影響は世界中であったのだ。そして、それはまだ続いている。


 私たちの『当たり前』とは、何だろう?昨年末の平塚GP。そして、今日の静岡競輪場。

 沢山の競輪ファンと共にする競輪観戦は、私にとっての『当たり前』であり、そして、私のよく知る『競輪場の風景』だった。ここにつどうお客さん、そして、競輪選手たち。『競輪場』という箱庭に、沢山の人生が交差する。


 今日は、『競輪場の風景』に、『当たり前』のを再認識させてもらった。そんなことを考えつつ、静岡競輪場のおでんを堪能した。

 美味しかったな。静岡競輪場で食べる静岡おでん。美味しい静岡おでんを食べるなら、ぜひ静岡競輪場へ。これもまた『競輪場の風景』なり。



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