第19回 『競輪GP・2022』の並びを妄想する

 というわけで、先日の競輪祭・終了をもって、今年の競輪GPを走るメンバーが決まった。それについては、前回(18回)でも触れている。


 次に競輪ファンが頭を悩ませるのが、競輪GPでのライン形成だ。9名の選手が、どう並んで戦うのか?これを推理する。

 だが、競輪GPの並びは12月中、GPの直前に発表されるので、いずれ判明することなのだが。それまでの間、どうなるだろうかと考える楽しみがある。


 しかし、今年の競輪GPメンバーは、地区に偏りが大きい。北日本地区から4人。近畿地区から2名。そして、関東、南関東、中国地区から各1人ずつ。


 ここ数年では、2018年の競輪GP(静岡競輪場)以来の偏りあるメンバー構成だ。2018年の競輪GPでは、近畿地区から4人。関東地区から2人。中部、北日本、中国地区から1人ずつの合計9人だった。この際は、近畿地区の4人の選手が結束。4人でラインを組んだことにより、優勝者は近畿地区の選手だった。


 そして、今年の競輪GP。北日本地区から4人出場する。この4人が、4人でラインを組むのか、組まないのかで、今年の競輪GPの結末が変わってくる。

 ここでおさらい。北日本地区からの出場者は、新山響平(青森県)、守澤太志(秋田県)、新田祐大(福島県)、佐藤慎太郎(福島県)。この4人がどう並ぶのかが、焦点だ。


 今の時点で、私や、他の競輪ファンの並びの予想としては、大きく2パターンが考えられる。『北日本結束の4人ライン』か、『北日本別線』のどちらかだ。


 では、『北日本結束の4人ライン』のケースから。これは北日本ライン先頭を新山選手が務めるパターン。その場合、想定される並びは、以下になる。


 ← 新山-新田-佐藤-守澤 

      又は、

 ← 新山-新田-守澤-佐藤


 この4人で結束して並ぶとなれば、優勝者は北日本ラインからの可能性が大きい。

 今年、GIを2回ずつ優勝の脇本選手と古性選手の近畿ライン2車でも太刀打ちは難しいだろう。しかも、先日の競輪祭での脇本選手、古性選手、二人の調子の悪さをみると、北日本4人の壁は大きい。無論、近畿地区の二人も、12月30日を目指して調整には入るだろうが。


 そして、もう一つのパターン。それが『北日本別線』だ。

 いくつか考えられるが、例えば、『新山選手-守澤選手』のラインと、『新田選手と佐藤選手』の福島県選手同士のラインに分かれるパターン。

 又は、新山選手-新田選手と並んで、その3番手に佐藤選手がくるか、または守澤選手がくるパターン。つまり、『新山-新田-佐藤』になるのか、『新山-新田-守澤』になるのか、だ。

 仮に、このケースになると、佐藤選手、守澤選手は別の選手の番手を模索するだろう。つまり、単騎になる選手の後ろへ来る可能性があるのだ。今年のGPで単騎になりそうなのが、平原康多選手(埼玉県)、松浦悠士選手(広島県)、そして、地元・神奈川県の郡司浩平選手だ。


 北日本4人がラインを組めば、そのアドバンテージは大きい。しかし、後ろになればなるほど、優勝できない可能性も高くなる。北日本の3番手、4番手になる可能性の高い佐藤選手と守澤選手が、その、北日本別線の可能性があり得る。

 最終的に北日本の4人がどうするかは、この4人で話し合うだろうが。


 ここからは、私のを述べたい。近畿コンビの後ろ、つまり近畿3番手に、関東地区の平原康多選手が来ないだろうかと妄想している。


 今から2年前。2020年の競輪GPも開催地は、平塚競輪場だった。その際、話題になったことがある。当時、近畿地区から唯一GP出場になった脇本選手の番手を、同じく唯一関東地区からGP出場になった平原選手が務めたのだ。これは当時、競輪界や、ファンには大きな衝撃を与えた。


 競輪において、同じ地区でラインが組めない場合、全く別地区の選手同士がラインを組むケースがある。それでも、例えば、競輪学校時代に同級生だったとか、個人的に交流があるなどの理由でラインを組むのだが、2020年競輪GPの脇本-平原ラインは凄いインパクトがあった。


 そもそも近畿地区の選手と、関東地区の選手がラインを組むこと自体がレアケースで、滅多にみられないパターンだ。


 それは言えることかもしれない。関東と関西。東京と大阪ではないが、近畿地区と関東地区には互いに意識し合うがあった。

 その当時(2020年)から、近畿地区ナンバーワンの存在だった脇本選手。近畿地区の選手からすれば、何度も彼らの前に立ちはだかってきた関東地区、ひいては東日本地区の横綱とも言うべき、平原選手とラインを組むとなったのだ。話題にならないはずがない。


 そして、その2020年の競輪GP・本番。脇本選手が先行し、平原選手はその番手として、しっかり先行する脇本選手を援護した。平原選手は、をしっかり果たしたのだ。

 結果としては、脇本選手が2着。2020年の競輪GPを制覇したのは、和田健太郎選手(千葉県)だった。


 結論から言えば、脇本選手も、平原選手も優勝できなかった。しかし、両名とも、先行選手として、そして、番手を任された選手としてGPを走った。それは地区を越え、互いに互いの実力を認め合った選手同士の走りで、観ていても清々しいレースであった。


 今年の競輪GPでは、脇本選手の番手は同じ近畿地区の古性選手(大阪府)が間違いなく来るだろう。しかし、ここの3番手に平原選手が名乗りを上げたら、そのインパクトは2020年の競輪GP以上のものがある。

 2020年のGPで、平原選手は最大のライバルとも言うべき脇本選手と共に戦い、その役割を果たした。そんな彼が近畿の3番手を主張しても、私は文句は言わないし、その方が今年の競輪GPがグッと面白くなる可能性が高い。


 それに脇本、古性の両名にとっても、北日本4人が並ぶ可能性のある中で、平原選手が3番手を固めてくれるなら、非常に大きな援護になる。

 何よりも『脇本-古性-平原』で並ぶことにより、北日本4人が結束する以上のインパクトを持つのだ。そうなると、北日本4人ラインも簡単に勝てないレースになるだろうし、競輪史に残るGPとなるだろう。


 さて、どんな並びになるか?発表があるまで妄想タイムだ。



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