第16回 『第64回・GI競輪祭』の優勝者は?

 というわけで、今夜(20時40分・発走)、今年最後のGI競輪祭の決勝戦が行われる。


 決勝戦まで勝ち上がったのは、以下の9名だ。


 ①平原康多(埼玉県)

 ②郡司浩平(神奈川県)

 ③新田祐大(福島県)

 ④新山しんざん響平きょうへい(青森県)

 ⑤荒井あらい崇博たかひろ(佐賀県)

 ⑥小原おばら太樹たいき(神奈川県)

 ⑦成田和也(福島県)

 ⑧坂井さかいよう(栃木県)

 ⑨守澤もりさわ太志ふとし(秋田県)


 そして、決勝戦の並びの予想が以下のよう。


 ←③④⑨⑦ ②⑥ ⑤ ⑧①


 北日本地区からは、4名の選手が決勝進出。関東地区と、南関東地区からは、それぞれ2名ずつ。計4名。そして、西日本地区からの優出は、⑤荒井選手のみになってしまった。


 こうも地区の偏りがある特別競輪の決勝も珍しい。開催地は小倉競輪場なのに西日本地区からの優出は一人だけ。しかも、開催地区である九州から唯一勝ち上がった⑤荒井選手のみだ。彼は決勝戦で、単騎で戦う。


 さあ、ここからが考えどころ。優勝は誰なのか?難しいのは、北日本地区が4名でラインを組んだ点。そして、その先頭が③新田選手である点だ。これは、個人的に不安要素なのだ。


 ③新田選手は先月、GI寛仁親王牌を優勝と、グランドスラム達成という偉業を成し遂げている。そして、今日の決勝戦メンバーでは、確実に競輪GPへの切符権利を持っている選手だ。

 そんな③新田選手が4人ラインの先頭を走るなら、先行して、後ろに並ぶ3名の選手から優勝者を出そうという魂胆だと思われる。


 だが、私は2015年7月の寛仁親王牌・決勝戦のことを忘れてはいない。実は、このときも新田選手は北日本4人ラインの先頭で戦った。奇しくも、それは新田選手が初めてGIで優勝した後のことである(※彼はこの年の3月開催のGI・日本選手権競輪で特別競輪の初優勝を飾った)。

 しかし、そのとき(寛仁親王牌・決勝)新田選手は終始後方に位置して、先行しなかった。結局、北日本ラインから優勝者が出なかった。この悪夢の再現がないかと少し心配なのだ。


 また、今回のGI競輪祭・決勝戦で、『先行』という視点では、⑧坂井選手の方が『先行型』の選手といえる。しかも、⑧坂井選手の後ろは、実力者の①平原選手。

 平原選手が番手にくる以上、捲りに構える可能性は低い。

 それに、③新田選手を簡単に先行させてしまえば、4人並んだ北日本ラインは大きな壁になる。⑧坂井選手の調子は良さそうだが、4人ラインの壁を超えるのは簡単ではないはず。捲り不発になるくらいなら、イチかバチかで先行するはずだ。その際に、③新田選手率いる北日本ラインがどんな動きになるかが焦点だ。


 仮に⑧①の関東地区の二人が先行すれば、単騎⑤荒井選手が、その3番手を位置を狙ってくるだろう。②⑥の神奈川コンビも後方に置かれたくないはずだし、北日本4人を後方に追いやりたいはずだ。


 ⑧坂井選手と、③新田選手ではどちらが、『先行』にこだわるか?そうすると、やはり⑧坂井選手ではないかと思う。先に述べたように、⑧①の関東二人のラインが先行なら、単騎⑤荒井選手がそこの3番手を狙ってくる。そうなると、事実上3人のラインが形成される。

 もし、この展開で③新田選手が率いる北日本ラインが並走になると、②⑥の神奈川コンビは、この後方でなる。


 ⑧坂井選手も、③新田選手も並走になる展開は避けたいはずだ。並走する展開ならば、互いに引けなくなり、関東と北日本ラインが可能性がある。そこを②⑥の神奈川コンビが一気に捲ってくれば、優勝争いは②郡司選手か、⑥小原選手のゴール線勝負になるだろう。


 では、ここからがいよいよ本題。予想してみよう。今大会の調子を見れば、本命◎は②郡司選手。対抗〇が、小倉こくら競輪場バンクと相性の良い①平原選手。


 ③新田選手がラインから優勝者を出す気でいるなら、③新田選手は不要。それに、今大会の新田選手の調子も万全とは言い難い。④新山選手が、③新田選手の番手後ろだが、彼はたて足があっても、。なので、④新山選手よりも、⑨守澤選手を推奨したい。また、準決勝で意地を見せた⑤荒井選手にも注目。


 本線予想は、①②-①②-④⑤⑨で、さらに3着に⑥小原選手、⑦成田選手も加えてもいいだろう。


 ただ、先に述べたように関東と北日本の並走で、神奈川コンビに大チャンス。②⑥-②⑥⑨-①⑤⑥⑦⑨になるかな?


 それとも③新田選手が意地を見せて、先行に、④新山と⑨守澤選手のどちらかが、優勝だろう。その場合には、④⑨-④⑨(ここに①②⑦を加えても良し)-①②⑤⑦となりそうだが、そんなに上手くいくかは不安が残る。


 ただ③新田選手が2015年と同じ失敗を繰り返せば、話が違う。⑧坂井選手が先行逃げるする展開なら、①⑧を軸にして、①⑧-①⑧⑤②-①⑧⑤②⑨。


 さらに悪夢のような2015年寛仁親王牌の再現なら、⑧-①-⑦もあるかも。

 この⑧-①-⑦が、2015年の寛仁親王牌決勝の結果なのだ。これを今回の決勝に当てはめると、⑧坂井選手-①平原選手-⑦成田選手という予想になる。これも買えそうで、買えない車券だが。


 今年最後のGI決勝戦は難しい。③新田選手が先行するか、⑧坂井選手が先行するか、それとも関東、北日本ラインの並走なのか?それによっては、結果が大きく変わってくる。

 うーん。ドキドキするレースだ。予想が当たればいいのだが、今年の競輪祭は、後半が落車や失格が続いて、レースが荒れた。最終日、決勝戦で、それだけは勘弁してほしい。

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