第14回 競輪場と選手の相性

 何事にも相性あいしょうというものは存在している。それは競輪においても、同じことが言えるのではないかと私は思う。


 日本各地の競輪場は、1周の距離が500メートル、400メートル、333メートル(前橋競輪場はここに含める)の3種類がある。そして、個々の競輪場の競走路やカント(カーブの角度のこと)の特徴。位置している自治体の気候、周辺環境にレースが左右される。

 それ故、競輪選手にも得意な競輪場バンクと、不得意な競輪場バンクが存在していると思っている。


 それは上記で述べたように、競輪場の位置や気候、周辺環境によりが違ってくる。それに加えて、個々の選手の脚質きゃくしつ、つまりレース時の戦法が影響する。

 先行選手が有利な競輪場もあれば、不利な競輪場もある。追い込み選手が有利な競輪場があれば、それが不利な競輪場もある。


 ※無論、レース時の選手のコンディションも参考にしないといけない。例えば、落車明け(怪我からの復帰時)のレースならば、それも一考して予想する。


 今回のタイトル『競輪場と選手の相性』。これは、個々の選手のレースを観ているとわかることだし、過去の成績を参照すれば、客観的にみることができる。

 なぜ、今回のテーマが『競輪場と選手の相性』なのか?それは今日(11月22日)の出来事が影響している。


 今日から今年最後のGI競輪祭が、福岡県北九州市の小倉競輪場で始まった。

 ここは日本で2カ所しかないドーム型の競走路バンク(注・現在の千葉競輪場は除外しています)。つまり、屋内の競輪場なのだ。だから、外がどんなに雨だろうと、風が強かろうと関係ない。もう1カ所、同じ形状の競輪場が群馬県の前橋競輪場である。


 GI競輪祭・初日の今日。8レースの『一次予選の①』でのことだ。このレースに出走するのが、以前にも話題に出した最強の競輪選手・脇本雄太選手だった。今年は競輪界最高峰のGI・日本選手権競輪ダービーで優勝。そして、それに次ぐ格のGIオールスター競輪では完全優勝している。今年、圧倒的な強さを示している。


 そんな選手が走るレースだ。正直、レースが荒れるとは思っていなかった。私にははあったが、それでも負けることはないだろうと思っていた。


 が、そのが的中してしまった。圧倒的に人気の出ていた⑦脇本選手。

 しかし、彼はこのレースで3着になってしまった。レース結果は、⑨-⑥-⑦で、2車単が『91,080円』。3連単は、『583,010円』だった。まさかの事態に日本中の競輪ファンは騒然となったのではないだろうか?厳しい言い方だが、現在の脇本選手ならば、負けてはいけないレースで1着になれなかった。


 私のとは、脇本選手と小倉競輪場のだ。脇本選手の小倉競輪場における成績をみると、明らかに成績が悪い。それはつまり、のだ。

 それに加えて、今日のレースでは脇本選手のを感じられなかった。


 どんな強い選手にも、苦手は存在する。あんなに強いのに、何で勝てないのと思うことがあるが、それは『競輪場と選手の相性』が関係しているかもしれない。


 これは、私の個人的意見だが、脇本選手は、小倉競輪場と名古屋競輪場の相性が良くないように感じる。逆に相性が良いと思うのは、彼の本拠地ホームバンク・福井競輪場、神奈川県の平塚競輪場、群馬県の前橋競輪場、福島県のいわき平競輪場だと思う。

 特に前橋競輪場と、いわき平競輪場の2カ所は、過去4回のGI優勝をもたらした縁起の良いバンクだ。


 まだ、競輪祭は始まったばかり。だが、どうだろう?今日のレースを観ると、脇本選手の優勝は、簡単な道のりではないかもしれない。

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