競輪の『道』

第13回 11月11日は、『完全優勝の日』

　競輪の専門予想紙などを購入すると、各選手の近況の成績が記載されている。前場所、前々場所、そして、今節など。

　例えば、『❷③⑤⑦』という塩梅に。ただし、この表記に関しては、各専門予想紙によって異なってくるので、注意が必要。だが、今の例だと、4日制開催のレースで、初日特選で2着。二次予選が3着。準決勝が5着。最終日に7着の成績だったとわかる。そして、これが同じ4日制開催で完全優勝だと、『❶①①❶』となる。

　世間ではポッキーの日らしいが、競輪ファンにとっては縁起の良い日。『完全優勝の日』だ。えっ？誰が考えたかって？それは私。まあ、他にも同じことを考えている競輪ファンはいるかも？だが。

　この完全優勝と言うと、思い浮かぶのが福井の脇本雄太選手。競輪界最強の漢。ラノベ主人公的、リアルチート選手だ。つまり、凄いと言いたいのだ。

　彼は2019年の日本選手権競輪GIで完全優勝。翌年の2020年の高松宮記念杯競輪GIでも完全優勝。

　そして、今年8月のオールスター競輪でも完全優勝。この時のオールスター競輪に限って言えば、成績は『❶①①①❶』と5連勝しての完全優勝。今年はここまで1億7800万円あまりの賞金を獲得している。

　脇本選手の次のレースは、今年最後のGI競輪祭。仮にここで優勝すれば、6大会あるGIのうち、5大会目を優勝することになる。そう、10月に新田祐大選手が打ち立てたグランドスラム達成へリーチになるのだ。

　脇本選手がグランドスラム達成には、あとGI競輪祭と、GI全日本選抜競輪を優勝する必要がある。競輪祭は、もう今月。そして、全日本選抜競輪は、例年2月開催。

　一年で一番最初に開催されるGIだ。そうなると、今月の競輪祭で優勝し、来年2月の全日本選抜競輪で優勝すればグランドスラム達成になる。

　脇本選手は今年GIを2回優勝で、競輪GPへの切符（権利）を持っている。しかし、それ以上に彼はグランドスラム達成へ最も近い位置にいる。これは本人だけでなく、競輪ファンにとっても楽しみなお話だ。

　僕らに完全優勝をまた見せてくれよ、脇本選手。