第7話 校長先生の話は面白くない

校長室で待っていた校長はムスッとしていた。

モジャ様を見るなり、言った。

『君は3年1組の城山茂邪くんだね。君は輪を乱した。あの場であくびをするなんて常識的におかしい』

モジャ様は納得いかないようで校長先生を見て言った。

『わしは煉獄で王に就任した時、話がつまらないと聞いてくれる人はいなかった。だから、あなたの話を聞いているこの学校の生徒はつまらなそうだった。つまらないなら面白くするのが筋ではないか。わしは王になってから、面白さを追求して話してきた。すると煉獄にいるものは話をよく聞いてくれた。つまり、あなたに原因があるからわしはあくびをした。ただそれだけだ』

校長先生は何も言えず、ただ黙っているとモジャ様は続けて言った。

『わしは正しいことを言っただけだから、もう戻ります』

戻ろうとするモジャ様に校長先生は言った。

『すまなかった、私の話が面白くなくて、もしよかったら話を面白くする方法を教えてくれないか?生徒に頼むなんて本当に恥だが』

モジャ様はにっこり笑って言った。

『もちろん、いいですよ。大事なことは2つあります。ひとつはインパクトを与えること。もうひとつは生徒の気持ちになって考えて発言することです。これをやれば校長先生の好感度は爆上がりですよ。』

校長先生は嬉しそうにそれをメモしていた。

そんな校長先生をよそにモジャ様は自分のボキャブラリーの多さにびっくりした。

『好感度が爆上がり』これが、今の高校生のトレンドなのだろうか。煉獄でこんな言葉使ったことなかったな。

校長室を出て自分の教室に向かったが、3年1組とは書いていなかった。

全部、3-1,3-2と3と2の間に棒線が引いてあった。

自分の教室がどこか分からず右往左往していたら、ある先生が近寄って来た。

彼はモジャ様を見るなり言った。

『もうすぐ授業始まるぞ、3年1組は隣の教室だぞ』

モジャ様はやっと教室の前にあるこの標識の意味がわかったのだった。

3-1の真ん中の棒線は3年1組を表すのだと。

教室に入るとこれが高校生というものかとしみじみ感じているとある女の子が声をかけて来た。

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