第6話 あくびがなんだって言うんだ

終業式の日が来た。

茂邪の母は床で寝ているモジャ様を無理矢理立たせ、食卓に連れてきた。

モジャ様は細く目を開けて、もぐもぐと口に物を入れて食べた。

その姿に母は言った。

『ちゃんと目を開けて食べないと美味しく感じないわよ、早くしないと学校遅刻するわよ』

そんなことを言われてもモジャ様のもぐもぐ度は変わらなくもぐもぐしていた。

やっと、目が覚めた時は8時10分ごろになっていた。

もはや遅刻は確定だったが、モジャ様は急がずてくてくと歩いて学校に向かった。

髪の毛を整えている暇がなかったから、髪がたわしみたいにのけぞっていた。

学校に着くと、みんな体育館に集まって夏休み前の校長先生の声に耳を傾けていた。

モジャ様はそっと体育館に入り、3年の列が分からず、なんとなくどこか後ろの列に並んだ。

ここから見える髭の生えた爺さんの声は本当眠くなると思った。

それが、学校の校長先生だとは知らず、モジャ様は大きなあくびをした。

先生はそのあくびに最大限の力を使って静かにしろと目で合図した。

モジャ様はすまぬと謝罪した。

周りからは笑い声がクスクスと聞こえ始めた。

そして、校長先生はモジャ様に対して指を差して言った。

『あとで、校長室に来なさい』

周りはお気の毒にと笑いながらモジャ様に言った。

モジャ様はあくびぐらいで呼び出されるなんて、なんて不思議な学校なのだろうと思った。

モジャ様は終業式後に校長室へと行った。

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