第209話 四月二十七日は哲学の日

 紀元前三九九年のこの日、ギリシアの哲学者・ソクラテスが、時の権力者から死刑宣告を受けて、刑の執行として獄中で毒を飲んで亡くなった。

 アテナイ(現在のアテネ)で活動し、対話的問答を通じて相手にその無知(無知の知)を自覚させようとしたが、アテナイ市民には受け入れられず、告発され死刑判決が下された。弟子たちは脱獄を勧めたが、「悪法も法」だと言って毒杯を煽ったのだった。



 今日、四月二十七日は哲学の日だ。この日に制定された理由は、有名な哲学者ソクラテスが獄中死した日だからだ。

 ソクラテスという哲学者の名前は聞いたことがあったが、どんな人物なのか何も知らない。これも良い機会だと思って、ソクラテスをググってみた。

 調べてみると数々の名言を残している人で、その名言自体は聞いたことがあったが、このソクラテスの言葉だとは知らなかった。


 例えば

・悪法もまた法なり。


 どんなに不条理や正義に反する法でも、法として定められた限りは守らなければならない。この言葉は知っていたし、今でも通用する言葉だ。それを紀元前四百年ほど前に生きた人物が残していたのは驚きだった。


・とにかく結婚したまえ。良妻を持てば幸福になれるし、悪妻を持てば哲学者になれる。


 これはなかなかユニークな言葉だ。だが、ソクラテスの妻には諸説あって、実際には悪妻で無かったという話もあるし、ソクラテス自身が悪夫であって、そんな夫を持てば悪妻になるのも仕方なかったという話もある。


 中でも私が一番驚いたのは次の名言だ。


・他人からされたら怒るようなことを人にしてはいけない。


 この言葉になぜ驚いたかと言うと、孔子にも同じ意味の名言があったからだ。


・己の欲せざる所は人に施すことなかれ。


 要は、自分がして欲しくないことは、他人にもするなってことだ。

 紀元前に生きた有名な哲学者二人。その二人が同じ言葉を残し、それは今でも人々に生きる真理を教えている。素直に凄いと思う。


 ソクラテスの名言は今の世の中でも通じる言葉が多く。特に日本人の道徳観に合っていると感じた。興味があれば調べて欲しい。

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