第192話 四月十日はフォトの日
フォトの日推進委員会(株式会社ビックカメラ・株式会社キタムラ・株式会社コイデカメラ・株式会社プラザクリエイト・株式会社ヨドバシカメラ)が制定。
写真を撮る文化に加えて、写真を贈る、写真を飾る文化を広めることで、写真の力や素晴らしさをより多くの人に伝えるのが目的。
日付は四と十を「フォ(四)ト(十)」と読む語呂合わせから。
俺の彼女はなんでも写真を撮りたがる。何か食べる時は必ず写真を撮るし、珍しい物を見つけてもスマホを向ける。そして撮ったらすぐにツイートだ。
そんな彼女にせがまれて、出不精だった俺がデートでいろんな場所へ出掛けるようになったのは良いことではある。ただ困るのは、デートした時に俺と一緒に写真を撮りたがることだ。
ハッキリ言って、俺は写真が嫌いなんだ。写る時にどんな顔をして良いか分からないし、容姿に自信も無い。でも彼女は「私は好きな顔だよ」と言って撮りたがる。そう言われると断れないので、せめてツイートする時には必ず顔を隠すように言ってある。自分の顔が全世界に公開されるなんて、まっぴらごめんだから。
あと、彼女は写真を大量に撮る割には全然整理して残そうとはしない。ツイートしたらそれっきりだ。だから、後であの時の写真が見たいと思っても、探すのが面倒になってしまう。彼女自身も困っているようだった。
見かねた俺が、パソコンに写真を送って貰って整理し始めた。集まった写真を日付や行った場所などイベント毎に、スライド動画に編集した。動画ファイルを再生すれば、連続で写真を見ることが出来るのだ。
「凄い! すぐに探せるし、見ていて楽しい! ホントありがとう!」
彼女も俺の作成した写真の動画ファイルを見て、嬉しそうに褒めてくれた。二人でデートの写真を見ていると、楽しかった思い出がよみがえって仲も深まる。
ふと気付くと、次の写真を楽しみにしている自分がいた。写真を撮られることに、抵抗も少なくなったし、どこかに出掛けるのを楽しみにしている。なんだか良いことずくめだ。
行動的で明るい彼女と、出不精だけどマメな俺。お互いを補完し合って、俺達は結構良いカップルだと思う。
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