第14話 リビアと騎士
私の名前はリビア。
ウィルソン家に仕えるウィルソン騎士団の騎士だ。
女ということで甘く見られてるかもしれないけど絶対負けてはいけない。
どんなに辛い訓練でも耐える。
どんなに不利でも勝つために努力を怠らない。
それが私の信念。
騎士団に入って一年。
かなり強くなったと思う。
勝ち残り戦ではまだ一勝も出来てないけどそれも半年前の話。
今やれば一勝ぐらいはいけると思う。
そんな日に騎士団訓練場へ現れたのは最近成人したばかりだというナルとかの英雄ヒイラギさんだった。
なんと勝ち残り戦に参加すると言い出した二人。
ヒイラギさんはわかる。
未熟な私でもわかる強者の風格を漂わせている。
だけどナル様は違う。
まだ子供じゃないか。
最下位として登録されたということは初戦は私。
仕方がない。
遊びできていいところではないと教えてあげるか。そう思い戦闘態勢をとる。
しかしナル様は木刀が違うなんて変なことを言って駄々をこねた。
負ければ木刀が悪いとでも言うのだろうか。
そしてそれを副団長が走って取りに行くのも腹が立つ。
あのお方がどれほどのお方か知っているのだろうか。
ちまたで最強だと言われているS級冒険者に引きを取らないどころか勝つことも可能なお方なのだぞ。ふざけている。
貴族だからなんでもありなのか。
そして副団長が変な形をした木刀を持ってくる。
普段使うものよりも細く軽そうだ。
なるほど、子供用ってことか。
けどあの形どこかで見たような、いや気のせいだな。そう思い敵に集中する。
先輩たちも負けるなよとか茶化してくる。
いくらなんでも子供に負けるわけないのにと笑いながら返せたらどれほど幸せだったのだろう。
立ち会った瞬間に感じてしまった。
彼はウィルソン家の一員なのだということを。
これまでも先輩とたくさん模擬戦をしてきた。
そして彼の放つ雰囲気はそれと同じ、いやそれ以上なのだ。
さっきまで感じなかったのに。
私の中の苛立ちと余裕はとうに消えた。
私は気合いを入れ直し準備をする。
まず4ヶ月前にようやく習得できた魔闘を発動。
そして最近覚えた魔闘の改良版。
一部に魔力を集中させることでその部分の能力を飛躍的にアップさせる魔流を足と目にする。先輩たちにはまだまだ下手くそとバカにされるがそれでもないよりはマシだろう。
動体視力は大切だ。
どんな攻撃でも見えなければ食らってしまうからだ。それをしなければならないと本能が言っている。それが終わったのと同時に副団長が合図を出す。
「よーいはじめ!!」
来るっ
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