第11話 とある森の物語


晃が指すと水晶の光が消える。


『あー、確かに気になります。私が生まれてからちょくちょく光りますよね?』


「だろ??お前が知らないって相当だぜ」


ずっと気になっていたのだろう。

話を逸らす目的とはいえ本当に晃は聞きたかった。

カレンはさっき光った水晶を掴み片手で投げながら話す。


「あー、この子ね。この子は魔法適性集合水晶ちゃんだ」


「『魔法適性集合水晶ちゃん?』」


不可解な名前に晃と攻が思わず聞き返す。


「そう、私が作った。別名No.72」


「なー、ししょー。その番号って…」


何かを察したらしく晃が躊躇しながら聞く。

何を言おうかすぐにわかったカレンは声を張り上げて言う。


「そう!これこそが私が作った72番目の成功品!!!愛しの愛しの魔法適性集合水晶ちゃんです!!」


それを聞き二人は思った。

祝典のデメリットって使いずらいと言うより恥ずかしいが強いのではと。

特に晃は自分も魔法解説の時にこんなテンションだったのかと客観的に見て初めて気がつく。

しかしカレンは止まらない。


「この子はね。私がまだ歳が二桁だった時に作ったものだ。これがあと十個ほどこの部屋にある!!」


「あ…見たことあるかも」


「まぁ、最近はあまりいいのが見つからないからな。それでこの子の機能知りたいだろ??そうかそうか教えてあげよう」


何も聞いてないのに話を続けるカレン。


「この子はなレイヤ王国貴族が持ってるNo.71魔法適性視認水晶と繋がっていてな。奴らが使ったらここに知らせられるんだよ」


「へぇー、それでなんでそんなもの作ったんだ??」


別にわざわざそんなつまらない情報集める必要も無いだろうと疑問に思い晃はきく。


「まぁ、落ち着けって。この子にはさらに別の機能が着いていてな。なんと!転生者が持ってる祝典をこっちに一部献上できるのだ!!!おっ、丁度こいつ転生者だから見てみるか??」


そう言いながら水晶を作業台の上に乗せる。

すると水晶がちょうど乗せれるぐらいの台座が出現し、カレンはそこに水晶を乗せた。


「さぁ、攻、晃。こっちに来い」


晃が攻をもって台座に近づく。


「よし、起動」


するとプシューと音と共に目の前に半透明なプレートが出現する。



ブレイク=コール

祝典:壁破壊



「ほぉ、初めて見る祝典だな。詳細表示」

『ピコン!了解しました。ダウンロード推定時刻二分』


台座から音声が流れる。


「えっ、喋った??」


『喋りやがった』


「ふむふむ。この子はなNo.153!転生者教えるよ君だ!!後付けってわけじゃないぞ。結構転生者関連って難しいから時間がかかっただけだ」


カレンは話したい気持ちを我慢する。

自分も理解しているからだ。止まらなくなると。

そしてあっという間に二分が経つ。


『完了しました!!』

するとまたプレートがあれられる。



祝典:壁破壊


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闌ッ驕閉�ソスツつツ溘Εツつツつツ�ソスツ�ソスツ�ソスツつツ�ソスツ�


「うわっ、きもっ」


「っち。ハズレか。はぁー、つまらんな」


苛立ち勢いよく椅子に腰をかける。


「ししょー、どういうこと??」


「たまに見れないものがあるんだよ!それぐらいわかれ」


ししょーが苛立ったら飛び火がこっちに来るのでそっとしておこう。

変な実験は怖い。何があるか分からないから怖いのだ。


その時だった。

この部屋が光に包まれた。

そう、文字通り光に包まれたのだ。

どこを見ても光で覆われている。

ここにいる三人は視力だけに頼ってないため把握することは容易いがそれでも驚くものは驚く。


パリンっ


そして何かが割れるような音がして光が消えた。


「なっ、なんだ??」


『わかんねぇー。そっちで音がしたけど』


今まで無かったことに不安を覚える二人。

別に敵が来たとは思っていない。

そんなことより危険なこと。

それはカレンの魔道具の暴走、または誤作動だ。

二人は揃ってカレンを見る。

するとカレンは不機嫌から一気に上機嫌になっていた。


「おぉー、割れた…割れたな。久々に来たか大物!!さぁーて誰かな、誰かな!」


そう言いながらひとつ鏡を取り出す。

そしてそれをいじり始める。


「おっ、ジョージのところの息子か。あいつ魔力ないのにどうして??もしや転生者??」


パリッン


「おっ、ジョージのやつ感覚が極まっているな。さすがと言うべきか…」


カレンが使っていた鏡が急に割れると何かをつぶやきおもむろに立ち上がる。


「出かけるぞ」


それだけを言いカレンは荷物をまとめる。


「どこへ??」

「王都だよ!!お前らの同級生らしきやつが集まってるから見に行くぞ」


それだけを言いカレンは家を出た。

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