第5話 目のとがった車が嫌い

OK, GUYS、すねをかじらせてくれるというので、2年落ちまでで走行少なめのやつを探そう、オプションが最初からついてれば後でお金使わなくてよいし、ここは中古車だ。


登録済み未走行車専門店のチラシはゴミ箱にシュート、カーセン〇ーを見ながら品定めをするおじさんだが、ふと気が付いた。おじさんな、最近の目のとんがった、幅より高さが1.5倍くらいある車嫌いなんだ。


おじさんあの、急ハンドルで転びそうな、伊勢湾岸道路で風に吹かれるとグラングランするような、そのくせなんかメッキがキンキラキンで、きんぴらごぼうにおちゃずけーそいつがおーれの食い方ー♪みたいなあれが苦手なのである。


あと、こう、目がとんがらがって怖いやつ、なんでお前らそんな常時怒り狂った顔なの? なんか嫌なことでもあったの?


軽自動車でイキリ散らしても、しかたねーじゃんよ、コロンとかわいくあざとくいきていこうぜ? ちなみに、おじさんは女の趣味も、かわいくあざといたれ目の女が好きです、ガハハハハ、よく騙されたりしてるぜっ!


で、いろいろ探してみてスズキのハスラーかラパン、あとダイハツのトコットあたりで絞ることにした。総額で120くらいで収まるやつにしよう、そうしよう。ありがとうかあちゃん。


ところがどっこい、この辺の車はえらく高いのよな。人気車種高いの法則である。軽なのに高い。10年落ちとか、8万キロとか、そんなのになかなか素敵な値段がついている。


むむむむと、〇ーセンサーとにらめっこしていた9月1週も過ぎたある日、バーでアードベックをペロペロしていたおじさんは、いい車を見つけた。


うっかり買っちゃった”ポン太”との出会いである。





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