第2話 仲間との出会い
3人は同時に天界へ飛ばされた。
その天界は、1面パステルカラーの青で埋め尽くされた雲で出来ていた。ただし、東の方向にはずっと続いてるという訳では無さそうだ。建物らしき何かがぼんやり見える。
「!」
「!!」
「!!!」
3人が上空少しの高さから落ち、雲が優しく受け止めた。
「な、なんだ…」
「…あれ?」
「うわぁぁ…あ…あ?」
3人とも天界へ飛ばされ、顔を見合わせた。
「だ、誰?どこ?」
スワンは間抜けそうにボヤいた。
「え、何か用ですか…?って、え…?」
ツーリンは鳩が豆鉄砲食らったような顔で、たった今ここに飛ばされたことに気づいた。
「な、なんだ君たちは!!ここはどこだ!!!」
スリーグは相変わらず焦っていた。
「俺も、分からないよ、」
スワンは何とかコミュニケーションを試みた。
「あのう、ここって何処ですか?」
ツーリンは能天気に2人に問いかける。
「分からない…よ」
スワンはまだびっくりしているが回答した。
「あ、ここが君もここがどこか分からないのか…その…青いシャツの…」
「スワン…」
「スワンくんか!僕は、スリーグ、っていうの。」
「スリーグ、か。よろしくな。」
スワンとスリーグは何とか落ち着きを取り戻した。
ツーリンはちょっと間抜けそうな様子で2人に話しかけた。
「私」
「そう、私」
「ツーリンっていうの!」
「ツーリンって言うのか!よろしくね!」
「よろしくお願いします!」
スワンは元気に挨拶をし、スリーグはすっかり落ち着き挨拶を交わした。
スワンはこのツーリンという子を見てある感情が心にあった。
「(す、凄い、可愛い…!可愛い!とにかく可愛い!どストライクだ。!?!??うん!?)」
スワンはこの時初めて女性を可愛いと思った。
それもそうだ。スワンの通う部活は男女比9:1だ。それに小学校の頃は女子には興味すら無かったから。
「ス、スワンくん?」
「え、あ、いやなんでも!!!!!!」
ツーリンが気になってスワンに話しかけるとスワンは焦った様子で返事した。
スリーグは何かを考えるような鋭い目付きで2人を見ていた。
「(この2人…。もしかしたら!俺はこの娘に興味はないから。応援でもしといてやるか。恐らくスワン君がツーリンさんに興味が、ある…!!こりゃあ胸熱じゃあないか。もしこの世界が夢だとしても。)」
スリーグは表情を変えないまま考察をした。
スリーグはここに飛ばされた時から、ここが夢の世界かどうかは彼なりに考えていたのだ。2人はそれには気づいてない。そりゃあー
急にこんな所に来たらそう驚くのも無理もないだろうけどー
「えっと…、スワン、君?ここでなんもしないのもあれだし、ちょっとそこら辺歩いてみようよ」
「え、あ!そうだな。」
スリーグの受け答えに答えると3人は東へ向かった。
スワンたちはふわふわの雲の上を徒歩で歩いて行った。その足取りは、少なくとも歩きづらそうではなかった。
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