第3話 天空の世界

スワンたちは1列に並んで真っ直ぐ、東へ進んで行った。他愛もない話をしながら3人で歩いていると、目の前に老人が現れた。


そう、瞬間移動みたいなものだ。


「やっほ^^」


おじいさんは、長い白ひげを生やしていて、典型的おじいちゃんみたいな感じだ。



「…え!?!?」

ツーリンは驚いて素っ頓狂な声を出してしまった。


「ワシじゃよ^^」

じいさんは変わらず挨拶をした。


スリーグ「ワ、ワシと言われても誰か分からないですよ。」

スリーグはこのおじいさんには流石に少し焦っていた。まあこんなじいさん急に出たらビビるわな。


「あ、それもそうじゃな。ワシはそなたらをここに呼んだ張本人ぢゃ。」


おじいさんは先程まで浮いていたが、雲に足を付け話した。


スワン「な、なんのために…??」

スワンが質問すると、おじいさんは答えた。




「そう、そなたらにはこの天空の世界を救って欲しいのぢゃ。えっとまず、龍人族って言うのがこの天界にいたのぢゃ。そしてはるか昔にその龍人族とそなたら人間は貿易だったり情報交換をしてたりしていたのじゃ。だが、初代王の娘が地上の紛争に巻き込まれて死んでしまっての。王様がキレて地上との関係を絶ったのぢゃ。ちなみに今の王様は2代目じゃ。初代王は優しかったのじゃが、2代目王はそうもいかなくてな。人間の世界に侵略しようと試みており、ワシらを戦線に駆り出そうとしているわけじゃ。だが初代王の呪文で、龍人族同士で戦争だったりを起こせなくなっておる。だからワシらがデモとか起こそうとしても、出来ないのじゃ。そのでおぬしらに頼もうという訳じゃ。」



ツーリンは冷や汗をかきながら質問する。

ツーリン「わ、私たちの世界が…。それは大変だわ…。でも、なんで私たちが…??もっと朝倉○来とかメイ○ェザーとかに頼めば良いじゃないの。」


おじいさんは静かに続けた。

「ソナタらに鍵を渡した。その鍵ははるか昔人間との移動手段での。その鍵の力は未だに健在、鍵がソナタらを選んだのじゃ。それはつまり運命じゃ。そなたらじゃなきゃあ世界は救えないらしい。」

「カギが言ってるから間違いない。」


スワン「い、いやでも親が俺が速く帰らないと怒るから無理。」

スワンはどうでもいい事を質問したが、じいさんは

「もう君たち帰れないよ」

スワン「え、」

ツーリン「…え。」

スリーグ「ええっ!?」

3人はそれぞれびっくりした様子で爺さんを見つめてた。


「この鍵は一方通行、王の管理する地上への鍵がないと帰れないよ。」


ツーリン「え。そしたら私のかわいい弟が心配するじゃない。お母さんも。お父さんも。ペットのイグアナも。」


「それに関しては大丈夫じゃ。地上では1秒たりとも時間は進んでない。あとちなみにここは夢ではなく、現実じゃ。」


スワン「ま、まあそれはいいとして、もし俺たちが王をしばけなかったらどうなるん…だ…ですか?」

スワンは恐る恐る問う。


「んーと。分からん。死にはしないと思う。」


スリーグ「そうか…うん…まあ、逃げるなんて選択肢は無いんだろうな。ここが夢じゃない限り足掻くしかない。やれる所までやってみるさ。家族も。後輩も。皆大切だからな。」

スリーグはらしいセリフを呟いた。


スワン「お前、、アニメみたいなセリフ吐くんだな…」


スリーグ「ちょっと調子乗ってみた笑」


「ま、あそこの街で待ってるから、着いたら手厚く歓迎してやる。それぢゃ。」

おじいちゃんは瞬間移動で去っていってしまった。

スリーグ「行ってしまったな……」

ツーリン「勝手にここに呼んだじいさんは腹立つけど行った方がいいよね。」

スワン「うん、だな。もう少し歩こう。」

3人は特に列という列は作ってはなく、学校の帰り道のように3人仲良くお話をしていた。


しばらく歩くと、とうとう建物に到着した。木造建築の質素な家が立ち並ぶ、20人位住んでそうだ。


スワン「えーと、ここだよな。多分あのじいさんもいるよな。」

ツーリン「いるといいけど。」

スリーグ「だな。勝手にこの世界に呼んだからには絶対飯位は奢らせてやるさ。」


3人は村の中へと踏み込んで行った。


3人が通りすぎた年季の入った看板には[クラウドバレーの町]と記されていた。

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