第二章 第四節 襲撃
獣人や竜人、鳥人。様々な魔が一挙に攻めてくる――!
門を閉じ、矢で迎撃するが鳥人の剣によってあえなく倒れる。
ひたすら逃げるカーグ。無理もない。十三歳なのだ。横目で冷ややかに見る村人達。逃げた先はアフラ神の祠であった。
次々と切り殺されていく人間達。同じ祠の別室たる石の門を閉じる人々。だが、そこには何もない。飢え死にも時間の問題だった。
アフラ神の祠の石の門を閉じ、鍵をかける。しかし、なぜか祠に魔物は来なかった。そこに突然声が聞こえる。
――そなたの正義は本物か。
「貴方は誰ですか?」
――誰でもよい。それよりも民を救い、光を取り戻し、命ある者が光の中で暮らしたい、その思う気持ちは本当か? お前が毎日祈っておるその願いは本物か?
「本当です。僕の両親のように悪に堕ちれば滅びます。闇は命を失う場です。そこに未来などないのです。俺が欲しいのは未来と光です」
――ならば、この剣を受け取るがよい
突然アフラ神の像から光る剣が出てきたではないか。
――我は正義の神。違いは闇を払いのける事のみ。絶対の神などではない。それどころか、その剣も含めて使い道を誤ればこの世は正義と正義を振りかざす者同士の戦乱の世になる。ゆえにこのペルシャではそれを避けたいのだ。お前には人間の希望のためにその剣を振るうことが出来るか?
少年の脳裏に蘇る悪徳の街、そして竜に滅ぼされ、両親が殺されていく様が浮かんだ。
(俺はそんな絶望で生きていたくない!)
「ああ、俺は希望のために剣を振るう!」
――よくぞ言った。正義を振りかざすだけでは闇の側の思う壺だ。我も別の世界で同じ過ちを犯した。もう二度とそのような光景は見たくない。受けとるがよい。修羅剣を……。
その剣は光り輝いていた。柄の絵が三面六臂の人の像であったペルシャでは見かけない不思議な像だ。
――その剣は闇の中に同化している魔をも
「神よ、俺は希望のために戦います!」
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