第12話 形見(1)

五階層攻略から二日後、俺はいつもの雑貨屋を訪れていた。




「おじさん。ミズキいるか?」




「ああ、いると思うけど」




店の奥からミズキが出てきた。




「どうしたの?」




「この前は助けてくれてありがとう。」




「どういたしまして。助けられるなら助けてあげたいもの。」




俺とマリンだけだと回復スキルがなくて今後厳しいかもしれないな、、




ここでミズキが一緒に来てくれるようになれば戦いが大分楽になる気がする。




「なあ、ミズキこれから一緒にダンジョンを攻略しないか?」




「それはできないの。お店の手伝いがあるから」




「そうか、なら仕方ないな」




まあそうだよな。




「あと、なんでこの剣に2つの属性が付与できるのを知ってたんだ?」




「それは、お母さんの形見の剣だから。」




「お母さんの形見?そんなのどうして俺に。」




「憐也を死なせたくなかったからかな。お母さんは昔一級の攻略者をやってて、でも途中で力尽きたの。そのとき使ってた剣」




「そうだったのか。大切に使うよ」




「うん、またね」




まだまだ強くならないと。そう思った一日だった。

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