第8話 新しい装備(1)

マリンと四階層まで降りてみたが四階層は三階層と特に変わらず午前中より連携もうまくいって進むことができた。




「今日はここまでにしましょう」




「ああ、欠片は山分けだな」




山分けにしてもいつもより随分数が多い。やっぱり階層が上がると欠片も多くなるらしい。




そろそろ新しい装備も買えそうだ。




一週間くらい3階層と4階層を中心にモンスターを倒し、欠片を集めマリンと決めた休養日に俺は新しい装備を買いに来ていた。




「おじさん!なんか良い剣ないか!」




「来ていきなり良い剣ないかっていわれてもなぁ」




新しい装備とはいえお金がたくさんあるわけではないので、とりあえずいつもの雑貨屋に来てみた。




この雑貨屋は一応剣や防具も置いているので何かしらあるだろう。




「これなんかどうだ。重くて良い剣だろ」




「いや、少し重すぎるな。もう少し軽いのが欲しい」




「そうだなぁ」




「憐也、これは?」




ミズキが店の奥から今まで使っていた剣よりリーチが少し長い30センチくらいの二刀を持ってきた。




「おお、いいじゃん!おじさん、これにするよ」




「おおそうか。えっとそれはいくらだったかな」




在庫管理くらいしっかりしろよな。まったく。




「8000セルだ。」




「わかった。これでいいか。」




8000セルは痛手だが、必要経費だ。仕方がない。




「毎度あり。また頼むよ~」




「はいよ」








「ふう、あいつは行ったか。」




「そうみたいだね」




「でもいいのか、ミズキ。あの剣大事なものだろう」




「お母さんがくれた剣だからね。でも憐也に死なれたくないんだ。」




「そうか、、」




「うん。もう私の大切な人にいなくなって欲しくないから。」

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