第6話 パーティ(1)

「そこのあなた、少しいいですか!」




ん、俺のことか?




いや、それはないだろう。




きっと聞き間違えだ。疲れてるのかなぁ。




「ちょっとってば!」




やっぱり俺のことらしい。




めんどくさいなあと思いつつ反応することを決めた。




「なんですか、、」




「さっき魔法攻撃してたでしょ!」




炎舞のことか?まあ炎は出てるし一応魔法攻撃ではあるのか、、、。




「それがなにか、、」




「この辺の低階層で魔法攻撃出来る人なんて早々いないのよ。決めた!私とパーティを組みなさい!」




ほーらめんどくさい。




「嫌です。それじゃ」




「なんでよ!」




だって名前も知らない相手にいきなりパーティ組めって言われても嫌じゃん。




「だってめんどくさいんですもん。一人で十分二階層でお金は貯めれるし、生活にも困らないからパーティ組む必要ないですし。」




「あなた、出稼ぎにこのダンジョンに来てるの?」




そういえば最初はこのダンジョンの頂上に行くのが目標だったな。




ただ、3階層は一人で行くには厳しいし、パーティ組んだとしても遠距離攻撃出来る奴じゃないと意味なさそうだしなぁ




「いいや、ダンジョンの頂上に行くためだった。ただ、3階層で死にかけて進めなくなった。」




「そう。あそこからは一人じゃ厳しいもの。」




「ああ、俺はほとんど近距離専門だし、遠距離攻撃出来る奴がいないと厳しいな。」




「それならいるわよ、ここに」




こんな低階層のどこにそんなちょうどいい奴がいるんだろう。そんな奴はどこのパーティにも引っ張りダコだろ。普通。




「私よ!私!」




はあ、何を言っているんだろう




「ちょっとみてなさい!」




そこに現れたスライム型のモンスターを指さす。




「大気に満ちる空気よ、凍てつく槍で敵を貫け!」




ん、何か言い始めたぞ。




「フロストスピア!」




そう唱えると、氷の槍がスライム型のモンスターのモンスターを貫いて、魂の欠片を転がした。




「おお、魔法か。凄いな」




「そうよ!」




「そんな魔法があるのになんでパーティ組もうとするんだ?」




「あなた馬鹿なの?詠唱してる間に敵に殺されちゃうわよ」




初めて会った少女に馬鹿呼ばわりされてしまった。考えてみるとごもっともなので反論はしない。えらい。




「なるほどな。でも他にパーティ組む人なんていくらでも居るんじゃないか?」




「そうね。あなたが私とおなじ独りぼっちそう、、、じゃなくてたまたま近距離戦闘出来る人が見当たらなかっただけよ」




あいつ独りぼっちだったのか、、




「わかったパーティを組もう。」




「よし!決まりね!とりあえずこれから毎日、朝、街の噴水前に集合ね!」




「とりあえず名前を教えてくれ。」




「まだ言ってなかったわね。ごめんなさい。マリンよ。」




「俺は憐也れんやだ。よろしく。」




「珍しい名前ね。明日からよろしく!じゃあね!」




もしかしたら根はいい奴なのかもしれない。




憐也        スキル一覧


覚醒  何かのスキルに突然目覚める確率が上がる


炎舞  剣に炎を纏って攻撃する。


    攻撃力上昇


    火属性


    物理属性




マリン               スキル一覧


フロストスピア 発動キー「大気に満ちる空気よ、凍てつく槍で敵を貫け」


        氷属性


        魔法属性

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