第23話

むかむかする。


百美が話した内容にだ。カジノに行った経緯をようやく思い出したのか話し始めた。それはクソ野郎の指導によるものであった。そして、儲かったら危ない仕事に就かせてこきつかうつもりだったのか?もしくは、自分のものにしようとでも?

くそくらえだ。仕事中なのにこんなことばかり考えてしまう。


「あ、兄貴…電話っす…弟の…」


「繋げ」


俺は今日の機嫌は最悪だ。公園にぜってぇ行かせないように何度も言い聞かせないと。だが、たもつが電話なんて珍しい。


「おい、兄貴」


「おうなんだ」


「…うちの周りを巡回する人数減らせよ!なんだよ、じろじろ見られて気分悪い。邪魔でしょうがねぇ!」


「俺の指示じゃねぇよ。そいつらに直接言え」


「はぁ?なんだよそれ」


「それよりチビ。お前そろそろ女はできないのか?」


「はぁー?な、なに言ってんだよ!ふざけんな」


切られた。いないようだ。

チビ1人だと心配なんだがな。

今まで弟のためになんでもやってきたが、もうチビは金も稼げるし1人でなんでもできる。だからなのか、百美のことばかり考えてしまう。

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