第21話

「ももは家政婦やってるから歩き回ってるってこと?」


本日は、連絡先を聞いた違う友達と会っている。前施設に住んでて、私よりもわりと年上である。保科ほどじゃないよ。


「そうじゃないよ。会いたかったから会ってるのに」


喫茶店というのかな?お家みたいでかわいいお店でご飯を食べている。


「わかってるって。ももが元気そうでよかった。はぁ、なかなか景気悪いし、その仕事手放さないようにね」


「うん」


仕事って保科も言うけど、違うよね。ただ保科の隣でうろちょろしてる。


「まず施設追い出されてなにしてたわけ?」


「居酒屋でバイトして、1日で辞めさせられた」


「そりゃ15だからでしょ?」


「卒業したって言ったのに」


「怪しかったんじゃない?ももが若すぎるから」


「…えー」


保科はそんなこと言ってませんけど。


「その後は?」


「面接全然だめだった」


「その間どこに住んでたの?」


「公園」


「はぁ!?あっぶな!なに考えてんのよーこんなひ弱な女の子がー!」


「でもみんな優しかったよ?」


お腹鳴らしてたら知らないおじさんがスルメくれたし。


「あぶな!なにされるかわからないよ?金とか取られなかった?」


「…金…」


そういえば、カジノに連れて行ってくれた人あれからどうしてる?


「ちょっとなくなった」


というか、全部チップになってしまった。


「ほら言わんこっちゃないー!もう二度とそんなことしないで!」

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