第18話
「追い出されて、バイト探して、でもクビになって…それで困ってたら、助けてくれた人がいて」
「…そ、そうなの?」
友達は水を入れたコップを持ってきた。水道水。
「その人の家に住んでるの」
「…それって、家政婦?」
「そう…なの?」
嫁だけど…そういえば私まだ誕生日きてないから結婚はできない。あれ?なんの書類書いたんだろ…あれ。
「その人はいい人なの?」
「うん」
「そっか…よかった…ももが住むにはちょっと狭いかもしれないし、心配してて…。もし、ももの仕事見つかってなかったらもっとシフト入れようと思ってたところだった」
「すぐ言いに来れなくてごめんなさい」
精一杯頭を下げた。
「もも、大変だったんだからしょうがないよ」
顔を上げると安心した友達の顔があった。
「あのね、携帯を買ってもらったの。連絡先を教えてくれる?」
そもそも携帯を持ってるかもわからないけど。
「…すごい!仕事用ってことか〜。うん、教えてあげる。あと、他の子たちも教えようか?」
「いいの?家がわからないから困ってたの」
直接会いにいくにも住所知らないし。
「ももに会いたがってたよ」
「そっかー嬉しい」
ずっと会ってないけど覚えててくれたんだなぁ。
「あ、これ、お菓子持ってきたの。あげる」
バックから取り出したものを机に置く。
「え!なにこれおいしそう」
スルメイカ3袋。
「イカはかみごたえあるからいいよ!」
ホームレスのおじさんがくれて、空腹をしのぐのに助かってた。
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