第15話

「卵乗ってるだけでおいしそー」


「食べるぞ」


百美と並んで食べる。


「うん、おいしい」


「これ、なに見て作ってるんだ?」


「施設で作ってたから…覚えてて」


「いつから施設にいたんだ?」


「んー、あんまり覚えてないんだけど…小学生じゃないときかな」


「そうか…。カレーの作り方はな、箱の裏に書いてあるぞ」


「それ見て作ったらなんか違うの?」


「もっとうまい」


「…私の…は…」


「お前にはうまいの食ってもらいたいから言ってんだよ」


「ありがとう。…保科に昨日電話して、邪魔だった?」


「いや。あれは間違えたんじゃないだろ?」


「…うん、ちょっと…話したかったの」


「そうか。ここに1人だと寂しいのか?」


「そうじゃないよ!ただ、保科と電話でお話ししてみたかったの」


「最初からそう言えよ」


「…迷ったらって言ったから」


「いや、…まぁ、そうだけど。別にお前がかけたいなら勝手にしろ」


「うん」


嬉しそうな顔に安堵した。


「カレーのルウはまだ残ってるよ。箱見てまた作ってもいい?」


「…ちなみに、これはどのくらい使った?」


「2つ」


どーりで薄い!鍋は大きめのを使ってるっていうのに。

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