第14話

帰ると、百美は布団に寝ていた。

冷蔵庫の中には、カレーがあった。

もう朝になったけど、カレー食うかな?いや、めんどくせぇからソファーで寝るかな。


「あれ、保科?」


「なんだよ、寝てろよ」


隣の部屋の扉は開け放ってあるから、俺がうろついたのがわかったようだ。


「おはよう、もう朝だよ」


「今帰った」


「ご飯は?」


「まだ」


ソファーに寝転がる。


「寝るの?」


「…めんどくせぇから寝る」


「ご飯、あっためようか?たくさん食べる?」


むくっと百美は起きてきた。


「…寝起きのくせに。ゆっくりしろよ」


「いいの!準備する。まだ寝たらダメだよ?あ、ちょっとトイレ行ってからね〜」


バタバタ走って行く百美を見送る。ったくうるせーな。


「保科、昨日のお昼はなに食べた?」


「食べてない」


「えー!じゃあ夜も食べてないの?だめーそんなの」


台所から話しかけてくる百美。勝手に飯準備してるし。


「はい、カレーだよ」


いつのまにやら机にまで運んできた。眠いが体を起こすことにする。


「悪いな」


「ううん。食べて」


スプーンもご丁寧に添えてある。だが…こいつの飯は、いつも薄く作ってある。調味料の節約のためなのか、そういうメニューを覚えさせられたんだろう。


「百美。これに目玉焼き入れてやるよ。俺が作るからお前も食え」


「なにそれ!ぜーたく!」


「待ってろ?焼いてやる」


疲れてたくせに、料理するなんて。百美は隣で見ている。


「保科はお料理上手だね」


「別に?百美はカレーついでそこで待ってろよ」


「はぁい」

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