仕事

第13話

「兄貴、どうすか」


「…あぁ」


新しい事業するらしいが、なんかめんどくせぇ。家帰ってやりたいことあるんだけど。別にこれ俺が関わらなくてよくね?


「よし、お前らに任せる。仕事を割り振ってやる」


「え、まじすか!」


俺の仕事、減らさないとな。抱えすぎてた。ついうっかり。やらなくていいことまでなんでもかんでもやってしまう癖をなんとかしないと。百美は今なにしてるんだろう。買い物行けたんだろうか?

ふと、ポケットから振動があった。確認してみるか。


…!


着信。momo


店の女みたいに登録してたが、ここで出るべきか…でかい声でしゃべられたら困るから、とりあえず外に移動。


「あ!」


「なんだ」


「間違えて押しちゃった」


「…」


笑いそうになったのを抑える。


「今なにしてる」


「家にいるよ。買い物も行ったの。今日は遅い?」


「たぶんな」


「ご飯作ったの冷蔵庫に入れておくね」


「…あぁ」


…間違えて電話したくせに、話すことあるじゃん。なんだよ、間違えたんじゃないのかよ。俺が出るか試したのか?

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