第10話

「できたよー!晩ご飯ですよー」


晩飯は百美が作った。しかしながら、質素だ。おにぎり残りと卵焼き残りと味噌汁とおひたし。それを並べてる。


「飯作りは当番制だったのか?」


「うん。でも私はトイレ掃除が多かった。トイレは男女兼用なんだけど、女の子のゴミとかあるから男の子はご飯作りメインだったかなぁ〜」


「…トイレくらい男女で分けたらいいのにな」


「うーん、そうだねぇ。食べよ!」


なぜか隣に座ってきた。対面で座るかと思ったのだが。


「いただきまーす!…お味噌汁の味どう?」


「いや、普通にうまいよ」


ずっと、こんなん作ってたんだろうな。中身が少ない。


「あ!トイレにゴミ箱置いていい?あ、ナプキンとかも置いていい?あ!今日買うの忘れてた」


「落ち着けよ。好きになんでも置いていい。買い物は明日行けよ。それでいいか?」


「うん…そうする。でもだいたい毎月あるし…出費がけっこうするから…なるべくトイレットペーパーで我慢する」


「いや我慢するな」


「でも保科の負担になるかも…ごめんね」


「金ならあるから気にするな」


無意識で頭を撫でていた。これは弟が小さい時によくやっていた。


「…うん、ありがとう」


やめ時がわからん…。


「家のことやってくれて助かる」


「…そう?」


よし、飯食うぞ。ようやく手を離すことができた。


「えへへ、褒められると嬉しい」


なんだよその顔は。ニヤニヤするな。

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