第9話

「どこに名前?」


「ここ」


「住所は前のでいいの?」


「そうだな。書いとけ」


「これは?」


「それは俺が書くから」


役所で書類を記入している。めんどくせーけど、まぁ、しょうがない。百美の年齢は15だから、とりあえずは養子だ。その後嫁にする…のを了承してるが、本当にわかってるかは謎だ。書類はさっさと提出して、携帯を買って、服を買わせて、飯の材料買わせて。

一緒には行けないからめんどくせぇけど。車は離れた場所に停車して、百美を待つ方式にした。


「いくら使った?」


ようやく完了して、車へ戻ってきた。ので、すぐに移動する。


「服は、1万円くらい。ご飯は5000円くらい」


「もっと買えよ」


「保科はお金いっぱい持ちすぎなんじゃないのー?お財布にけっこう入ってたもん」


「見たのかよ」


「カードとかもあったし」


「欲しいものは言えよ」


「そんなに欲しいものない」


だろうなぁ。


「そーいう保科は、なんでもお金で買えばいいのにご飯は自分で作るんだね」


「たまにな」


「それはないよね?だって材料揃ってたもん。もやしとか豆腐とか賞味期限短いよ?」


「うるせぇよ」


「うるさくないよー」


バカだな。


「私に携帯電話、使いこなせるかな」


「簡単だ。さっさと友達と連絡とれるようにしろ」


「…電話番号わかんない」


「だったら直接会って、ちゃんと住まないこと早く伝えろ」


「…うん。じゃあ友達と連絡取れるように携帯買ってくれたの?」


「いや?別に。今日の仕事は適当でいいし、手続き早めに終わらせておきたかっただけだ」


「そっか。ありがとう」

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