第8話
「おいしいでしょ?はじめて入れてみたんだけどうまくいった」
「…そうかよ」
おにぎりなんて作らない。だから久しぶりな気分になった。
「おかずは食べないの?卵焼き作ったけど」
「いい。…金やるからまたなんか作れよ。あとお前の欲しいもの買えよ」
今度は手に握らせた。
「うん。ありがとう。あ、さっき洗濯したんだけど、どこにいつも干すの?」
ったく、働きすぎだ。
「…乾燥機がある」
「え!そっかー!すごいねぇ。どれ?」
ふー、これじゃ仕事に行けない。皿から卵焼きを取って食べる。味薄っ。
「後は夜食えよ」
「わかった。片付けよーっと」
手に米がついたから台所に行って手を洗う。百美はおにぎりらをラップをして、冷蔵庫に入れた。
「百美、説明するからついてこい」
「うん!」
百美を連れて乾燥機まで移動する。
「これに入れて…」
「ふんふん!あ、メモとったほうがいいかな?」
「そういやお前携帯は?」
「ないよ?」
「友達と連絡取れないだろ」
「直接会うから…」
まぁ、相手も持ってないかもしれないし無理か。ポケットから携帯を取り出し電話する。
「悪い。他の仕事入った」
舎弟にもう任せることにした。すぐ電話を切り、ポケットにまた入れた。
「あれ?他の仕事があるの思い出したの?」
「そうだ。お前の服の乾燥終わったら、着替えて出かけるぞ」
「え?私も?」
「百美のものがなさすぎる。あと、お前と結婚しないと携帯が契約できねぇんだ。さっさと契約するぞ」
「わかった」
なにがわかったんだか。
「乾燥機の手順なんてそんなに難しくねぇから。見て覚えろよ」
「うん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。