第2話

金を外へ持ち出そうと準備としていたら、客が俺の腕を掴んだ。まだ客がいたのか。


「この店、閉まるんですか?」


中学生くらいの女の子だ。こんな店に簡単によく入れたもんだな。


「今日で終わりだ」


「これ、チップなんだけど現金に変えられませんか?」


どうやら店のやつと間違えてる。袋に入ったチップを持っている。


「おいクソガキ。兄貴に触るな。てめぇの金とるぞ」


舎弟がどなった。しかし、話を聞いてないのかぼんやりと俺を見ている。


「てめぇはその金でなにするつもりだ?」


「これから住む家に使いたくて。今手持ちなくて、お金に変えてもらえたら50万になります!友達と仕事しながら住めますか?あ、友達はバイトしてるんですけど…そんなにお金ないから…。施設帰れないから、どうしてもお金が必要なんです」


「…無理だ。すぐなくなる」


「…もっと早く勝てたらよかったのに…」


「おい、てめーふざけんな?兄貴は暇じゃねーんだよ!話しかけんじゃねぇよ」


舎弟が女の子の腕を俺から離そうとした。だから…


「わ!」


俺はつい、この子の手を引いていた。手を握り、そのままそこから離れる。


「兄貴、わずらわせてすんません!」


なにか勘違いしてるがまぁいい。


無視して、手を引いて外に移動した。別に抵抗することもなく、ふらーっとついてきた感じだ。

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