拾った嫁

えいみ

カジノ

第1話

違反カジノ店が縄張りを荒らしてる。だから通報する前に、財産を少しばかり頂く仕事をしている。


「カジノは違法だろ?わかっててやってんのか?」


「…そ、そんなこと…は、ないです…」


客たちもわかっててやってるんだろうけどな。舎弟とともに、責任者を無理やり引っ張り出した。今は動揺してるが、こいつは平気でたんまり金を溜め込んでるらしい。


「金出せよ、バレない程度にな」


「いや、しかし…」


「ここはうちの敷地なんでね?利用料払ってもらわないと困るんだが?」


「…そ、そんなこと知りません」


「お前、自分に金流してんじゃねぇのか?」


「…え」


顔面蒼白になった。それくらい売り上げを調べればわかる。


「それがバレたらお前はどうなるか?」


客たちはヤクザに驚いて逃げ出してるから、ここに留まろうとするのは、責任者と舎弟くらいしかいない。おじけついたのか、責任者はおとなしく金のありかを話し出した。ふむ、現金を床下に隠してるとはいい度胸だな。金のある場所に移動して、監視する。


「おい、たらたらすんな!さっさとしろ」


「は、はい!すみません!」


気の早い舎弟がイラついてる。もう通報しただろうし、退散しないとな。


「これでもう全部です。もうありません…」


確かに目視では金は見えない。


「しょーがねぇな。ここのオーナー吊し上げて、お前はなんとかしてやるよ」


「ほ、本当ですか!」


「ここにオーナー呼べ。てめぇはこの100万でさっさとどっか行け」


「わかりました!すぐ呼びます!


…オーナー!店に有名人が来てます。これはいい客ですよ〜!ぜひお会いしてサインもらって写真を撮りましょう!」


…うさんくさすぎんだよ。で、お前はどうせ捜索されて捕まる。

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