loneliness



" 2人の優しさで自分が弱くなっていくのが怖い "



トイレを済ませて外に出ると、辺りは暗闇に包まれていた。


「そっか、もう20時過ぎてるんだよね」


今日は祭りのオレンジ色の灯りがあったので気づかなかったが、もうすっかり夜だ。

この暗闇から見ると、祭りの灯りがある場所は妙に遠くに感じる。


モカとさやかと離れていると、さっきから見え隠れしていた感情が正体を現す。


" あたしには孤独が似合ってる。仲間なんていらない "

" 馴れ合って、傷を舐め合って、馬鹿みたい "


これは、あたしの本音。

アブソリュートで活動を始めてから、ほとんど現れなくなったけど、今もどこかに必ずある感情。


「楽しいって気持ちは本当なのに、どうして?」


あたしは、自分の中にある感情に語りかけるみたいに、言葉を漏らす。


モカに買ってもらった焼きそばとたこ焼き、さやかに射的で取ってもらったラジコン缶。

手に持っていたものが途端にかすんで見えてしまう。


全部全部楽しい思い出のはずなのに。


「あたし、どうしてこんなに弱くなっちゃったのかな…」


柄にもなく、あたしはその場に座り込んだ。


「独りは慣れてたはずなのになぁ…」


あたしは、ダンスで全国1位になった。

八女神市アイドルオーディションも1位で合格した。

あたしは、いつも絶対誰にも負けない強い気持ちを持っていた。


それはこれからも一緒、一緒のはずなのに。


今はどうしてこんなことを思ってしまうんだろう。


「...独りって寂しい...」

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