⑧'君はデューイットを知っているか 補足(2022年執筆)

 本作は、既にカクヨムに投稿した長編作品である『罪と罰、そして安寧の羽根』のスピンオフである。『罪と罰、そして安寧の羽根』では、様々な条件で発動し、特定の人間がこの世界に最初からいなかったことになる『システム』というものが無数に存在しているという設定であり、デューイットというのは、そこで出てくるシステムの一つである。『罪と罰、そして安寧の羽根』に出てくるキャラクターの一人が、本作『君はデューイットを知っているか』にも登場しており、『罪と罰、そして安寧の羽根』のあるエピソードを読むことで、デューイットを巡る本作がどのような結末を迎えたのかがわかる。

 また、本作は、幽遊白書の『テリトリー』のような、特殊な条件における頭脳戦を意識した代物になっており、道中の展開さえ乗り切れば、結末が決まっている分、短編としてそれなりの形にまとまりそうな気はする。

 なお、本作の執筆メモにおいて、下記のような文章が残されていたのだが、亮介の杞憂の方が、デューイットを巡る『システム』の真相として驚きに満ちているというのは、どう考えても欠点でしかなく、それよりもショボくならざるを得ないラストで盛り上がるのかという懸念は残されている。



3つの秘匿事項

〇デューイットの正体

・制限時間

・結末


 亮介は、デューイットも制限時間も結末もわからないというその点から、最初に恐怖に負けて誰かと会った者同士、二人ずつを消していくシステムなのではないかと予想している。つまり、最初が奇数人で始まり、二人減るたびに、認識上の開始人数が減って行って、最後の一人になるまで続くのではないかと思っている。その、最後の一人こそデューイットと呼ばれる存在なのではないかと。つまり、実は今、もうすでに何人か減った後の状況なのだ、と考えていて、誰にも会おうとしない。仮に、デューイットのルール通りだとしても、誰にも会わないという方法なら、誰かを消してしまうということはない(自分のせいで他人がそんなことになるのは許せない)

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