第6話

開けると、俺の安っぽいトップスとパンツに靴下は綺麗に洗われ乾燥されていた。




凄い! 寮なんて二層式の洗濯機で取りあいになるもんな。


ところでなんで、こんな袋みたいなものに入っているんですか?




ああぁ、洗濯ネットのことか。それはブラジャーとかショーツを洗うときに入れて洗うのよ。ブラジャーって紐みたいなもんでしょ?




違うと思うけど?


ホックの処を片手で持ってぶら下げる感じを想像して。




ああぁ!!!




それをそのまま、洗濯すると他の洗濯物に絡まって肩ひもとか伸びるのよ、だからそう成らない様にするためね。レースとかフリルも引っかかるとイヤだし。


ブラウスとかも1着ずつ、ネットにいれるのよ。


一応、覚えておいてね。




はぁ。




それから着替えて、旅館のような朝食を食べた(旅館に泊まったことが無いけど)。




それから、茉優さんと一緒に昨夜の痕跡を残さないように二人で元通りにしていった。




寝室に入ると男と女の甘い香りと精液のすえたような卑猥な匂いが同時にした。


茉優ちゃんが、カーテンを開けて窓を全開にして部屋を出ていき家の反対側の窓も何か所が全開にして風を通している。




旦那とは1回でお終いだから、こんな臭いがするなんて思わなかったわ。それにもう中年に足が届く年齢だから加齢臭ってやつがするのよね。抱かれていてもたまに洗い残しのとこから香って来るのよ。




俺は茉優さんを思い切り抱きしめた!




どうしたの?やっちゃん?




やっちゃんって、なに?




あなただと、勘違いしそうだし。諸見里安則君だから モロ?


安則君? そうだ!やっちゃんだってことで。




抱きしめたのは、旦那さんへの嫉妬です!




俺の童貞を奪った茉優ちゃんの旦那への憎しみも込めて。




今から、しようか と 茉優ちゃんが。




したいけど、歯止めが利かなくなるからキスだけで。


そんなことをしていると、時間だけが過ぎていった。


掃除と洗濯を終わらせると、昼を回っていた。


茉優ちゃんが、コーヒーを入れてくれて飲んでいると時間が無くなっちゃいそうだから、サンドウィッチを作ったから帰ってから食べてね。それからお土産も入っているから、お楽しみに。




俺は時間の少し前に、茉優さんから楽しかったわ。また連絡するわ。


出来ればでいいのよ、やっちゃんの講義の時間割とかアルバイトの無い日をメールで教えてくれたら嬉しいかな。




俺は、すぐにメールします!。死んでもします!




死んじゃできないわよ。




死にません!




スニーカーを履こうとして下を玄関に腰掛けてそういう仕草をしていると茉優さんの手が俺の頭を捉まえて頭を回るまで振り向かせてディープキスをして、また今度ね。




俺がボォッとしていると、背中を叩いて俺より先に家を出て周りを見回して大丈夫よ、早く。




俺も釣られて、速足で松岡家を後にして2軒位通り過ぎて振り向くと茉優さんの姿は見えなかった。




それから、どうやって寮まで戻ったのか分からないのだが確実に言えることは、俺の財布の中身が増えているのとサンドウィッチと紙包みに包まれた何かがあることだ。




四畳半一間の部屋に鍵を掛けて、俺は紙包みを開いてみると


それは今日の朝、茉優さんが着けたはずのブラジャーとショーツだった!!!。俺は落としそうになったがこんな貴重なものをこんな汚い床になど落としたら大変だと思いこらえた。




俺は下着泥棒みたいにって(やったことないから知らないけど)ショーツのあの部分を裏返しにして匂いを嗅いでいた。


次にブラジャーの胸が当たる部分に鼻を押しつけて茉優さんの匂いをかぎ取っていた。




俺の愚息はフル勃起した。俺は、右手で握り数回擦り出したが、今ここでするとあの栗のような臭いが茉優さんのブラジャーとショーツにも移るだよなと、思いとどまりどうすれば良いのか無い頭を使い、サランラップみたいな袋のやつだ!チャックがついてるやつがあったよな!


取り敢えず紙袋に戻し、コンビニ袋を何枚も被せて匂いが逃げないように括ってパンツを穿きスーパー?百均?どちらでもいいからと思い財布を掴んで、部屋に鍵を閉めて買いに走った。




一時間ほど掛かって、目的のものを買い求め部屋に戻りジップロックにショーツとブラジャーを別々に保管した。


でも、これはどうしよう?


壁に貼り付けてもいいのかな?


誰かに見られると変態、下着泥棒の汚名を着せられるよな。




こういう場合、自分の部屋が欲しいなぁ。






決めた!!!。




アルバイトをしよう。お金は安くてもいいから。


茉優さんに会うためだ!




それから、俺に忠告をしてくれた先輩を訪ねた。


ビールを6本持って、先輩は理由も聞かずに学校から近い町工場を紹介してくれた。一応アホな俺でもパソコン位は人並みに使いこなせるので、事務補助と言う職を得た。

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