調査



 調査


 第15層の攻略に向けて準備をこなす面々。


 そんな中で、ステラはある行動をしていた。


 自分が王女らしくないという再確認は、とてもすんでいる。


 だが、現に今のステラは王女だ。

 どんなに向いていなかったとしても。


 だから、王女であるステラは上の姉に頼みこんで、普段は入れない図書室に立っていた。


 その過程で多少のいじわるはされたが、友人の為だと思えば安い労力だった。


 いつもはいじわるされたら諦めるところだが、その用事は特別だったから。


 ステラは初めて入る図書室で、本を探していく。


 そうして十数分かけてかき集めた資料を、一つ一つ読み込んでいった。


「この病気にはこの薬が効くのね。そして、この材料の組み合わせは危険。こっちは大丈夫。輸送には時間がかかるみたい。薬は希少なものばかりだし。権力を使ってどうにかなる問題じゃないわ」


 それはニオ達の故郷の問題を解決するためだった。


 あまり好ましい事ではなかったし、他の兄弟達が黙っていなかったが。友人の為なら王女としての権力を使うのはやぶさかではない。


 しかし、病の問題はそれでは解決しないようだった。


「ごめんなさいニオ。代わりになる薬草の情報しか見つけられなかったわ」


 だから、それだけの情報を伝えたのだが。


「ステラちゃんありがと。そうやって頑張ってくれただけでニオは嬉しいよ。ぎゅーってしちゃうんだから。もうこのこのっ」


 ステラを言葉通りぎゅっと抱きしめたニオは、すごく喜んでくれたようだった。


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