第14層 幽霊商人
第14層
終わりが見えてきた第14層。
ステラ達は、第15層に向けて装備や武器を整える事にした。
そんな中、ダンジョンの中にまで出向いてくる商魂たくましい商人と出会った。
「まいどまいど、こちら移動商店でーす。お買い得な品物を用意しているので、どうぞ買っていってくださいな」
その少女はどれも一級品の商品をステラ達に紹介してくる人物だった。
しかし、周りに人はいない。
彼女は一人でダンジョンの中を、商売してまわっているらしい。
特に戦闘に秀でているような雰囲気は見えないだけに、不思議だった。
しかし武器が必要なのは事実。
なので、ステラ達は品揃えを確かめる事にした。
「この剣の切れ味とってもよさそう。素材が良い素材つかっているわね」
「ステラちゃんってほんと生まれるところ間違ってる気がするよ」
「こんな王女様がいてたまるかって思うわな」
「俺はステラのそんなギャップも好きだぜ!」
武器の切れ味と、素材に詳しい王女。
あらためて王女には向いていないと悟った瞬間だった。
商品をいくつか購入した後、ステラ達はその場を後にするが、数歩歩いて振り返った時にはもう人影がいなかった。
その商人の少女はこつぜんと姿を消していたのだった。
「えっと、幽霊とかだったりしないわよね」
「おっ、もしかしてステラは幽霊が苦手なのか? 大丈夫、どんな怖い事があっても俺が傍にいるから!」
「幽霊なんていない。そう幽霊なんていないのよ(ぶつぶつ)」
「あっ、心情の整理に忙しすぎて他に眼中ないパターンだこれ!!」
その後、幽霊を見たと言う目撃証言が同じ階層で多くよせられていた。
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