第4話 オーク殲滅
ーー オークの殲滅作戦。
それから2日後、オークの殲滅作戦が行われる事になった。
集められた冒険者は、ランクD以上が強制でそれ以外は希望者だ。
基本参加者には金貨5枚、後は討伐した数次第だ。
魔物を狩ると何故かカードに記録されるのだ。
先発隊に選ばれた俺は、オークの集落までの道案内を言いつけられた。
オークをできるだけ避けながら、集落に辿り着き確認する。
「確かに150〜200の集落だな。」
同行のランクCの冒険者が呟く。
「一人で帰れるか?地図のこことここに冒険者を分けて配置するよう、伝えてくれ。」
と指示され、素早く戻る俺。
指示を伝えると
「ここは分かるが、こっち側は道や地形がよく分からんな。お前ここに行けそうか?」
と言われ、頷いて見せた。
「よしそれなら20人連れてここに向かえ、合図は狼煙だ。見逃すなよ。」
と新たな指示を受け、先輩冒険者らを連れて目的地に向かう。
「この辺りです。」
目的地に着き、集落を伺うと多くのオークがいるのがよく見える。
狼煙が上がるのを待つ。
最初に魔法師が広範囲な攻撃を与え、その後囲みながら殲滅するのだ。
俺は後ろから見守る位置どりをする、参加する必要はないからだ。
「狼煙が上がったぞ!構えろ。」
「ドドドーン。」
岩が集落に降り落ちた後、業火のような炎が暴れる。
かなりに数のオークがダメージを受けたようだが、倒れている数は少ない。
冒険者たちが歓声を上げて集落に走る向かう。
混乱していたオークが徐々に立ち直り出す。
力に勝るオークは、太い大木を小枝のように振り回しながら、冒険者の攻撃を交わす。
何人かの冒険者が吹き飛ぶ!
異変を聞きつけた外のオークが集落に戻ってくる。
気配に気づいた俺はそのオークの殲滅に向かう。
慌てて戻るオークは周囲の注意が疎かだ、先ずは弓で攻撃して仕留めたり動きを止めてからとどめを刺す。
20頭ほど仕留めたところで付近にオークの気配がない。
集落の様子を窺うと、殲滅に難航しているようだ。
一際大きなオークが5体いる、
「あれが上位種か?と言うともう一回り大きなやつがいるのか。」
俺は集落内を見回す。
「アイツだ!」
奥の洞窟の入り口にさらに大きなオークが見えた、かなり大きな剣を持っている。
俺はそのオークの様子を見逃さないように、見張る。
そいつが岩陰を利用して移動し始めた。
冒険者の後ろに回り込むためだろう、アイツに後ろから攻められたら・・アウトだ。
俺はそのオークの動きに沿って移動する。
まともには撃ち合えないだろう、それなら先ず足を殺して・・急所を狙うしかないか。
戦略を決めると、そっと後ろに回るオークのさらに背後に移動する。
両足が揃ったところで、アキレス腱を足首ごと切るつもりで、地面スレスレの横凪に剣を振り抜く。
「スパン。」「グジャーッ。」
足首を斬り飛ばされたオークが地面に倒れながら叫び、後ろを振り向く。
そのタイミングで首を狙って剣を振るが、大剣が首を守るように突き出される。
その大剣を握る指を切り落とす。
大剣が手から離れる、もう一度首を狙って剣を振る。
喉を裂くが少し浅い。手足を振り回しだしたオークの攻撃を避けながら、頭側に周り頭を縦割りに切り裂くと、流石のオークも脳漿を振り撒きながら息絶える。
レベルアップのメッセージが数回流れる。
「こいつ経験値がかなり高かったんだ。」
呟きながら集落を見ると、5体の大きなオークに押され気味の冒険者が見えた。
残りは30頭ほど5頭を除けば、満身創痍なオークばかり。
俺は冒険者を避けながら、オークを切り裂き倒していく。
とうとう5体の大型オークのみが残った、冒険者の数も戦えるのは20人ほど。
一体に4人の数だ。
しかし3m近いオークの攻撃は脅威のようで、そばに近づけない冒険者達。
俺は弓を取り出すと、隙を見ては目を狙って射る。
5体のうち2体の目を射抜き動きが止まった。
それに群がる冒険者、俺はそれ以外のオークの様子を見る。
数人が戦闘不能になっている、不味いようだ。
俺は一体のオークの背後に移動すると、右足の膝から下を斬り飛ばす。
次のオークは利き腕を肘から先を切り飛ばす。
もう一体は、隙があったので首を斬り飛ばす。
未だ討伐できないオークを俺は次々にトドメを刺して回る。
その頃になって、領主軍が到着する。
生き残りを倒しながら死体を片付ける、兵士ら。
元気のある冒険者らは、オークの宝を探し始める。
俺はあのオークが姿を見せた、洞穴を見に行く。
奥にまだオークがいる可能性もあり、気配を探りながら進む。
弱いが気配が幾つかある。
奥に向かうと檻のようなものがあった、そこに人が押し込められていた。
「大丈夫ですか?助けにきました。もう大丈夫ですよ。」
と声をかけながら、出入り口を縛っている紐を切り落としていく。
およそ10人の女性が囚われていた。
虫の息の女性もいて、見るに堪えない状態だったが、数人は囚われたばかりのようで。
手を取り合って喜んでいた。
「ありがとうございます。」
数人の女性から俺を言われて出口に向かうように伝えた。
他の冒険者が現れたので、怪我人がいる旨伝えタンカを準備してもらう。
俺はさらに奥に向かう、最奥に宝が積み上げられていた。
不思議な指輪が目に止まり拾い上げると指に付けてみた。
すると指のサイズに合わせるように締まり、魔力が流れるように吸われた。
頭に指輪の効力が伝わる。
「収納の指輪」と言うのがこいつの名前だ。
財宝に手をかざし「収納」と唱えると全てが消えた。
収納されたようだ。
「良いものを見つけた」
俺は、出口に向かい歩き出すと。
助けた女性の一人が俺に
「私を連れて行ってください。私には戻る場所も親もいません。」
と一人の少女が俺の袖を掴んで言った。
その目は本気のように輝いていた
「・・分かった。ついて来い。」
と言いながら手を差し出した。
その手を取る少女は
「私は名前も捨てた、あなたにつけてほしい。」
と言った
「うん〜。スノーが良いかな。」
その少女が雪のように白かったからだ。
「スノー!良いわ。よろしく・・。」
「アレフだ。」
「よろしくアレフ。」
と手を掴んだ。
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